2199愉しく学ぼう 小児の臨床神経生理
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1581拡散テンソル画像(DTI)とは?1.拡散テンソル画像(DTI) MRI拡散画像は,ブラウン運動1のような分子の拡散する現象を画像化したものである.脳梗塞急性期における拡散強調画像の有用性が報告され,急速に日常診療で使われるようになった.さらに拡散の異方性を画像化するDTIが脳の白質構造の評価に用いられるようになり,脳の構造・機能研究での適応が広まっている.拡散強調画像およびADC mapが拡散の方向性は関係なく拡散の大きさを評価するのに対して,DTIでは拡散の偏り,異方性を評価する.生体内では細胞膜などで拡散が妨げられ,拡散のしやすい方向としにくい方向ができる.脳の白質においては神経線維が水分子の運動を制限し,線維方向へは拡散が大きく,それに垂直な方向には拡散が小さくなる(図1).この異方性をもとに,白質の微細構造の評価が可能になる.* DTI: diffusion tensor imag-ing* MRI: magnetic resonance imaging1ブラウン運動液体のような微粒子が不規則に運動する現象のことを表す.* 拡散の異方性: diffusion anisotropy* ADC: apparent diffusion coefcient各論Ⅴ 脳機能マッピング拡散テンソル画像(DTI)図1 神経線維における水分子の拡散λ3λ1λ2Key Points ◉●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ◉●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ◉●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●TOPICSKey Points ◉拡散テンソル画像(DTI)は白質の微細構造の異常を検出するのに有用である. ◉様々な解析方法があり,研究対象・目的にあった方法を用いる. ◉新生児・乳児では年齢によってFA,MDなどが大きく変化する.4

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