2204看取りの医療 改訂第2版
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106Ⅳ 緩和ケアと看取りの医療 患者家族の文化的背景,宗教・信念,民族的背景,人種的背景,伝統などにしたがってケアを提供できるよう努力すべきです.家族は,わが子にとって“よい死”とはどうあるべきかといった課題と同様に,どのような最終的ケアを行うべきかを考える過程に参加すべきであり,家族や子どもの選択が重視されなければなりません.支援者の考えや好みによって一般化したり,型にはめこんだりすることは避けなければなりません. ここではこどもホスピスでの取り組みを通して,小児緩和ケアについて紹介してまいりました,独立型のこどもホスピス病棟は,患者や家族の小児緩和ケアに特化した空間をつくり上げて提供しやすく,「エンド・オブ・ライフケア」を含めた苦難の子どもに対する小児緩和ケアを実践するにあたり,さまざまな可能性をもっています.一方で前述しましたように,小児緩和ケアの概念は,小児がんや難病のみに限られることなく,すべての疾患で,またすべての場面において考慮に入れるべき概念といえます.今後はさまざまな連携を通して,日本の医療に合った小児緩和ケアの実際の取り組みを広げていくことが重要と考えられます.5 小児緩和ケアの今後の課題 1 小児緩和およびレスパイトプログラムは普遍的に利用されうる必要がある. 2 統合的な小児緩和ケアプログラムは,病気が治癒不可能な可能性があると診断された時点から導入されることがもっとも効果的である.このようなケアは,予後の善し悪しにかかわらず,病気の過程全体を通して継続されるべきである. 3 このようなケアを必要とする子どもが,小児緩和ケアプログラムを利用できるための方法を向上させるべきである. 4 すべての小児科医は,患児とその家族に小児緩和ケアを提供することに対して親和的で協力的である必要がある. 5 小児緩和ケアをあらゆる方面から研究することを支援すべきである. 6 ケアや決定は生命を短くすることを目的とするものではない.C 普遍的要素 1 患児と家族の価値観に寄り添ったケア. 2 患児中心,家族中心,関係性重視のケア. 3 地域におけるかかりつけ医,訪問看護,往診,保健師などによるチームとの連携を重視すべきである. 4 子どもの発達レベルに適合したケアの調整と効果的なコミュニケーション. 5 治療過程の早期に導入されればされるほど,患児や家族の受け入れが良好となる.D 文化的問題
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