2208小児科外来や乳幼児健診で使える食と栄養相談Q&A
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23栄 養0~4か月(新生児~乳児早期) 満期産の場合,一般的には4か月児健診のときに出生時からの体重増加が25 g以上であれば問題なしとしていることが多いのですが,25 g以下だとすぐにミルクを追加するように勧めている場合もあります.1日増加量が15 g以下の場合には何らかの問題を抱えていることが多いですが,20 g前後の増加で,元気もよく頸がすわっているようであれば追加の必要はありません.むしろ追加を安易にすることによって母乳の分泌が減少することのほうが心配です. 母乳が徐々に出なくなってきていることもあります.入浴時などに乳房が張っているときに,乳房を左右から押してみると乳線が5~7本飛ぶことが多いのですが,これが少ししか飛ばなかったり下に垂れるだけだったりする場合には母乳が少なくなっている可能性があります.哺乳時間も片側10分以上と長くなっていることが多く,哺乳後もぐずることが多くなります.こうした状況が続くようであればミルクを40~60 mL調乳して飲ませてみます.勢いよく飲むようであれば母乳が足りない可能性がありますので,そのときには母乳を飲んだ後にミルクを足すことになります.また,母乳を片側の乳房から飲んだ後に,少し脱気してげっぷを十分に出さずにすぐに反対側の乳首に吸いついているような場合には,哺乳後に嘔吐を繰り返し,結果として母乳不足になる場合もあるので注意が必要です.脱気不足は意外に多いです.参考文献・平岩幹男:乳幼児健診ハンドブック第4版.診断と治療社,2015(平岩 幹男)解説母乳,ミルク,げっぷKey word 完全母乳栄養児ですが体重があまり増えません.ミルクを追加する判断はどうすればよいですか? Q 18体重の増加は,哺乳量だけではなく活動量などの影響もありますし,月齢によっても異なります.基本的には発達に問題がなく,哺乳時間が長過ぎなければ,特にミルクの追加はお勧めしていません.AQ 16関連質問

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