2212診療実践小児神経科
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小児の末梢神経障害の頻度は成人に比べて極めて少ない.その中では顔面神経麻痺は高頻度である.後天性末梢神経障害は,成人に比べて予後良好で自然治癒することが多いが,重症例もあり,治療開始と治療法の選択の判断が問われる.治療法に関する小児例での十分なエビデンスはなく,成人例を参考にせざるを得ない.脊髄性筋萎縮症は本項に含めたが,臨床像は筋疾患に類似している. ▶急性発症の上行性弛緩性運動麻痺.左右対称性.単相性経過. ▶初期診断は末梢神経伝導検査で行う. ▶重症例にはγグロブリン療法,あるいは血漿交換療法(PE:plasma exchange)を行う. 感染後に急性発症する運動神経優位の自己免疫性末梢神経疾患である.先行感染(上気道炎や胃腸炎)の1~2週後に発症し,4週間以内に麻痺はピークに達する.先行感染を認めないこともある.脱髄型と軸索型に分けられ,前者は自然寛解するが,後者は後遺症を残すことがある.小児は成人に比べ回復が良好である.カンピロバクター菌体外膜構成成分は髄鞘糖脂質(GM1やGD1a)との分子相同性があり,それらに対する自己抗体の産生が発症機序と考えられている. ▶急性発症する四肢筋力低下:多くは下肢から起こり上行する.脳神経麻痺(顔面神経麻痺が多い)を伴うことがある.脳神経・上肢麻痺から下行する場合もある.症状は両側性(ほぼ対称性)である.どの年齢でも生じる. ▶腱反射減弱・消失:まれに保たれることがある. ▶感覚障害:初期に軽度のしびれや痛みを伴うことがあり,運動麻痺に先行する.まれだが激痛を生じることがあり治療を要する. ▶自律神経症状:頻脈や徐脈,低血圧や高血圧,腹痛や膀胱直腸障害などを伴うことがある.致死的な不整脈の報告もあるので心拍モニターは重要である. ▶経過:4週以内にピークに達し(ほとんど2~3週以内),以後徐々に回復する.単相性の経過.Gギラン・バレーuillain-Barré症候群(GBS)1ポイント疾患概要主要症状I末梢神経障害(ニューロパチー)・ 脊髄性筋萎縮症Part 4各疾患別の診断と治療227I 末末末末末末末末末末末末末末末末末末末末末末末末Part4
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