2213結節性硬化症の診断と治療最前線
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55A 全身症状と神経症状第章3結節性硬化症の臨床症状表1 TSCに特徴的な病変臓器形成異常腫瘍脳皮質結節*1,上衣下結節*1,大脳白質放射状神経細胞移動線*1上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)*1眼網膜無色素斑多発性網膜過誤腫*1皮膚白斑(脱色素斑)*1顔面血管線維腫*1,線維性頭部局面*1,爪線維腫*1,シャグリンパッチ*1心臓横紋筋腫*1腎臓多発性腎囊胞血管筋脂肪腫(AML)*1,腎細胞癌*2肺リンパ脈管平滑筋腫症(LAM)*1肝臓血管筋脂肪腫*1膵臓膵島腺腫口腔線維腫結腸・直腸過誤腫性ポリープ副腎血管筋脂肪腫*1甲状腺胎児性・乳頭状甲状腺腫卵巣・精巣血管筋脂肪腫*1歯エナメル小窩骨指節骨囊腫,頭蓋・長管骨の硬化大血管壁欠損,その結果生じる大動脈,鎖骨下・頭蓋内・腎動脈の動脈瘤*1:診断価値の大きい病変,*2:過誤腫(良性腫瘍)でなく悪性腫瘍である.インスリン成長因子受容体PI3KIRSPTENAktRhebS6KS6hamartinREDD1AMPKLKB1エネルギー状態GSK3WntAMPtuberinelF4Eラパマイシン(シロリムス)細胞の成長・増殖など4EBPmTOR図1 mTOR信号伝達系白の囲みは系の活性を促進する因子,グレーの囲みは抑制する因子を表す.hamartin(TSC1遺伝子産物)とtuberin(TSC2遺伝子産物)は複合体を形成し,この系の中流にあって系の活性を負に制御する.TSCではこの機能が低下するため,下流(Rheb/mTOR/S6/eIF4E)の活性が異常に亢進する.ラパマイシン(シロリムス)はhamartin・tuberinのやや下流にあるmTOR(正確にはmTOR複合体1)を抑制する.

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