2218麻酔科クリニカルクエスチョン101
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麻酔の導入方法には,吸入,静脈注射,筋肉注射,座薬と,様々な方法がある.いずれの方法を選択するかは,患者の年齢,既往歴・合併症,現症・合併症,術前の絶飲食の状況,静脈路の有無,麻酔導入に対する協力度による.すなわち,麻酔導入法は症例ごとに合わせて考慮しなければならず,すべての小児に対して吸入導入が最善であるとは眼らない.とはいえ,吸入導入は,小児における麻酔導入方法のなかでも広く一般に行われている方法であり,メリットは大きい.ここでは,小児の吸入導入を円滑に行うために必要な知識とコツについてまとめる.-1小児で吸入導入がよく行われているのはなぜか?第一の理由として,導入前に静脈路確保を要さず,導入時に痛みを伴わないことがあげられる.鎮静効果のある前投薬の投与,亜酸化窒素の使用,術前からの局所麻酔クリームの塗布(EMLAクリームの場合,作用発現まで30~60分を要する)により,末梢静脈路確保が児に与えるストレスは軽減されうるかもしれないが,導入時の痛みに関していえば,点滴導入に比して吸入導入に分があるといえる.また,成人に比して,新生児・乳児・小児においては,①機能的残気量に対する分時換気量の比率が高い,②吸入麻酔薬の血液ガス分配係数が低い*,③体重当たりの心拍出量が大きい,④血管が豊富な組織(脳など)への血流比が高いことから,吸入麻酔薬の取り込みと平衡に達するまでの時間が短く,スムーズで迅速な導入が可能となりうる.しかしながら,痛みとは異なるが,マスクを顔にあてられる恐怖心は,乳児や小児にはよくみられることであり1),その恐怖心から,結果的に導入時間が長くなり,患児に与える心的外傷が大きくなる可能性があることには留意すべきである.*:セボフルランの血液分配係数に関しては,低出生体重児,成熟新生児,成人の間で差はない2).-2吸入導入を避けたほうがよい症例は?新生児,心不全,胃食道逆流症,フルストマック,吸入麻酔薬が禁忌(悪性高熱症の素因など),頻回の麻酔のためにマスクに対する恐怖症などがあげられる.-3小児の術前不安を解消するためには?小児の麻酔導入は,“いかに児が不安なく機嫌よく入室することができるか”から始まる(Mini Lecture参照).そのため,術前の不安を解消する方策をとることが重要となるが,術前診察時に児本人と仲良くなっておくことのほかに,①プレパレイション,②保護者同伴導入(parental presence during induction of anesthesia:PPIA),③前投薬,④ タブレットやビデオゲームなどを利用して注意をそらすこと(distraction),などがあげられる(Q42参照).-4吸入導入の具体的な方法とコツ小児の吸入導入の方法は,麻酔科医によって千差万別であり,1つの方法が正しいということはない.実際,北米から出版されている歴史ある小児麻酔の教科書と比較しても,その具体的な方法は1つではない.そこで,ここでは,筆者が考える方法について,まとめる.43小児で吸入導入はどのように行うか?AAAAQ43996麻酔導入

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