2218麻酔科クリニカルクエスチョン101
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-1麻酔からの覚醒とは?全身麻酔の定義は一般的には催眠,鎮痛,筋弛緩,有害反射の抑制であるが,全身麻酔の覚醒という点について考えるとき全身麻酔は①外界からの刺激に対して生体が合目的な反応を示さない状態で,②記憶も残らない状態と考えるとわかりやすい.全身麻酔からの覚醒は①外界からの刺激に対して生体が合目的な反応を示し,②記憶も残る状態といえる.揮発性麻酔薬の投与を中止すると,おもに排出(または代謝)によって時がたてば脳内の組織濃度が低下し通常は覚醒する.ただし麻酔科医にとっての臨床的な覚醒は,通常呼名反応を指すが認知機能や記憶の回復はまだ不十分である場合が多い.-2覚醒に影響する因子は何か?揮発性麻酔薬からの覚醒に関与するおもな因子としては以下があげられる.●薬物動態学(ファーマコキネティクス)①血液ガス分配係数(小さいほど覚醒が速い)②組織ガス分配係数③麻酔回路のガス流量④肺胞換気量⑤心拍出量(心拍出量が低いと組織内濃度は低下しにくく覚醒が遅くなる)⑥脳血流●薬力学(ファーマコディナミクス)年齢による効果の差(高齢になるほど麻酔が効きやすく,覚めにくい)セボフルラン,デスフルラン麻酔からの覚醒を考えるときには,麻酔科医が調節するのが通常人工呼吸器の設定であり,そのなかでも③新鮮ガス流量を増加させることと1),④適正な肺胞換気量を維持すること2)が重要である.新鮮ガス流量については流量が増加するほど,揮発性麻酔薬の濃度変化は速くなるため6~10 L/分程度がよい.肺胞換気量については過換気にすると脳血流量が減少し,脳からの揮発性麻酔薬の排出が遅くなる可能性があり,動脈血二酸化炭素分圧で35~40 mmHg程度を維持するのがよい.-3麻薬との相互作用はどうか?全身麻酔は鎮痛(フェンタニル,レミフェンタニル),催眠(セボフルラン,デスフルラン)をそ52揮発性麻酔薬からの覚醒はどのようにして起こるか?AAAChapter 8麻酔からの覚醒

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