2218麻酔科クリニカルクエスチョン101
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絶対的禁忌と相対的禁忌に分けられるが,相対的禁忌においては特に各症例においてリスクと利益を十分に検討することが大切である.-1絶対的禁忌1, 2)1)薬剤アレルギー使用する薬剤にアレルギーの既往がある場合は行わない.アナフィラキシーショックを起こす1型アレルギーは頻度が低く,アミド型よりエステル型に多い.局所麻酔薬そのものに対するアレルギーではなく含まれる防腐剤によることもある.アレルギーの既往のなかには,歯科治療で使用される局所麻酔薬に含まれるアドレナリンによる頻脈などがふくまれていることがあり,局所麻酔薬のアレルギーではないことがあるので注意深く病歴を聞く.2)感 染穿刺部位に感染が認められる場合は行わない.褥瘡がある場合は見た目の皮膚だけでなく皮下にも広がっていることがあるので注意が必要である.敗血症や菌血症などの全身性の感染においては相対的禁忌であり,行わないほうがよい.しかし菌血症では,多くの場合抗菌薬が投与されていることとフルストマックなどで脊麻施行に利点がある場合は実施されている.また,そのことが髄膜炎や膿瘍の原因になるということを言及しているものはない.3)頭蓋内圧亢進脳腫瘍など頭蓋内占拠性病変で脳圧が高い場合は,くも膜下穿刺は脳幹ヘルニアを生じるため行うことは危険である.また硬膜外麻酔施行時も偶発的くも膜穿刺を起こす可能性があることや,硬膜外腔への薬液の投与がさらなる頭蓋内圧上昇に関与することがあるので禁忌である.4)脊麻や硬膜外麻酔を希望しない患者協力が得られない場合も禁忌となる.脊麻や硬膜外麻酔に利点がある場合は十分な説明を行い,それでも協力を得られない場合はリスクについて説明し経緯をカルテに記載する.-2相対的禁忌1)神経系① 脊髄における変性疾患や脱髄疾患は相対的禁忌となる.もともと神経に障害があるところに,本来なら障害を起こさない程度の障害(局所麻酔薬の曝露など)にさらされることにより,不顕性であった神経障害が顕正化する(ダブルクラッシュシンドローム)という考えがある.しかし,脊麻や硬膜外麻酔においてその証拠はない.多発性硬化症は局所麻酔薬に対し感受性が高いといわれ禁忌と考えられることが多いが,若い女性に多くみられるため妊娠との関係についての報告がある.その報告では,分娩時に脊麻や硬膜外麻酔は安全に施行できると述べられている3).② 潜在性二分脊椎では低位脊髄円錐と脊柱管の変形が問題となる.正常では脊髄円錐の98%はL2で終わるが,低位脊髄円錐はそれより下位となるため脊麻により脊髄損傷となる可能性が33脊髄くも膜下麻酔(脊麻)や硬膜外麻酔の禁忌にはどのようなものがあるか?AA5区域麻酔Chapter 5区域麻酔
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