2224糖尿病治療薬クリニカルクエスチョン120
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Q57 SGLT2阻害薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください. 115ⅦSGLT2阻害薬を活用する 反対に多剤を用いても改善がみられない症例に対しては,効果よりも有害事象が懸念されるため,推奨されない.また不適切使用で重篤な有害事象がみられていることから,血糖低下作用が十分に得られない中等度以上の腎機能障害の症例,脳梗塞リスクがあるため脱水になりやすい高齢者,体重減少がデメリットになる極端な痩身者,心血管疾患合併症例にも原則として投与すべきではない.SGLT2阻害薬は利尿作用を有するため利尿剤との併用に注意する.副作用が疑われる場合は,すぐに服薬を中止する指導が必要である.重篤有害事象として,死亡,脳梗塞が報告されているが,SGLT2阻害薬による有害事象以前に糖尿病患者では健常者に比べ死亡・脳梗塞リスクが高いため,適切な症例を選択して使用する必要がある.文献 1)松橋有紀,他:イプラグリフロジン投与による血糖コントロールと体組成の変化.Progress in Medicine 2014;34:1867-1871. 2)皆川冬樹:インスリン治療中の2型糖尿病患者に対するSGLT-2阻害剤投与時のインスリン減量に関する検討.Progress in Medicine 2014;34:1851-1855.(越坂理也・横手幸太郎)SGLT2阻害薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.57SGLT2阻害薬の代表的な副作用としては,脱水,低血糖症,尿路・性器感染症,皮膚関連事象などがあげられます. 脱水,体液量減少 SGLT2阻害薬は尿糖を増加させることがメインの作用であるため,それに伴って起こりうる副作用が使用前から想定されていた.実際に市販されてから,比較的短期間で実際に数多くの副作用が報告され,2014年6月には「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」から「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が発表され,さらに同年8月に改訂された1).表1 当院におけるSGLT2阻害薬との併用薬パーセンテージ単剤16.7ビグアナイド(BG)薬61.1DPP-4薬44.4α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)27.8SU薬19.4チアゾリジン(TZD)薬19.4GLP-1受容体作動薬16.7インスリン38.9

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