2229医療系学生のための 図解病態治療学テキスト&ノート
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994 急性腎障害(急性腎不全)51病 態急性腎障害(AKI)は急速な腎機能(糸球体濾過量:GFR)の低下を示す病態である.急性腎不全は最近では急性腎障害とよばれる.KDIGOによる定義とステージ分類を表5-4に示す.尿量が低下しない(400mL/日以上)非乏尿性AKIと,尿量が低下する(400mL/日未満)乏尿性AKIがある.100mL/日未満を無尿性AKIという.多臓器機能障害に伴うAKIが多い.原因疾患から,①腎前性(腎虚血),②腎性(糸球体腎炎,尿細管間質性腎炎(☞【参考】),腎内凝固線溶異常,腎毒性物質),③腎後性(尿路閉塞)に分類される(図5-6).2治 療腎前性AKI:輸液療法,昇圧薬の投与.腎性AKI:原因疾患の治療,高血圧の治療.腎後性AKI:尿路閉塞の原因の泌尿器科的治療.【参考】尿細管間質性腎炎尿細管間質への炎症細胞浸潤を特徴とし,間質の浮腫,線維化,尿細管萎縮を伴う症候群である.急性および慢性に分類される.急性尿細管間質性腎炎の原因として,薬剤,膠原病,感染症によるものが多い.薬剤として,ペニシリン系やセファロスポリン系抗菌薬,非ステロイド系抗炎症薬などがアレルギー性の尿細管間質障害をおこし,造影剤,アミノグリコシド系抗菌薬,抗真菌薬などは非アレルギー性の尿細管毒性を示す.発熱,皮ひ疹しん,血尿を認め,尿細管細胞障害を反映して,尿中にβ2-ミクログロブリンやNAG(N-アセチル-β-グルコサミニダーゼ)の上昇がみられる.AKI:acutekidneyinjuryNote

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