2235筋強直性ジストロフィー 改訂第2版
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73 筋強直性ジストロフィーの多くの患者さんは,診断されてどんな治療が提供されるのか尋ねたときに,「何もない」といわれてがっかりしてしまいます。現時点では,状態の経過を根本的に変えるような治療法や治療薬はないというのは正しいといわざるをえないのですが,病気の経過のさまざまな時点で,役立つ手段,特に救命にもなる手段がないというのはまったく正しくありません。特定の症状は,症状が出てきたときに治療ができます。11章では,最終的な治療,治療薬の展望を述べますが,本章では今ここで何ができるのか,筋強直性ジストロフィーのどの患者さんでもできなければならないはずの治療について述べます。 本書の中のあちこちで,これまでに筋強直性ジストロフィーには多様性があることを強調してきました。このことは,患者さんによって,必要なアプローチは異なることを意味します。個々の問題がどれくらい重大なのか,また年齢によっても異なります。年齢ではかなりの違いをもたらしますので,対処は大人と子どもで分けて考えてきました。ただかなり重なっているところはあります。情報の多くは表にまとめたり,これまでの章と関連付けたりしました。表のいくつかはコピーして,医師や専門職に会って,話し合うと Key points•筋強直性ジストロフィーにだけの治療はないのですが,筋強直性ジストロフィーの側面ごとに対応や治療でできることがたくさんあり,あなたにも役立つ可能性があります。•個々の症例は異なるため,患者ごとに問題がどのくらい重大かや,患者の年齢により,異なるアプローチが必要になります。•医師やほかの専門職に会って,対応を相談するときには,本章の情報が使えるかもしれません。•ほぼ健康で動ける状態を維持できるのは確かに大切です。ただし,激しい運動は害はあっても益はないことがあります。•家庭や職場のような環境があなたにとってよいように変えられるかどうかをみましょう。第10章 現在での対処と治療
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