2247フェルソン読める胸部X線写真 改訂第3版
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v原書第4版への序文Preface to the Fourth Edition50年を経て,なお輝きを増す偉業.フェルソン,ワインスタイン,スピッツたちが最初に “Principles of ChestRoentgenology” を上梓したのは1965年のことだ.後年,CT,MRI,超音波,核医学の登場をみるが,この上品な教科書はずっとベストセラーであり続けている.いったい,それはなぜなのか?単純明快であること:基本的なコンセプトがわかりやすくしかも論理的に展開されていく.すなわち,ひとつの章が足がかりとなって次の章へと導かれる.適切な内容であること:本文では基本的な画像解剖と日常診療でみられる疾患の画像所見が重点的に取り上げられている.胸部X線写真は医療のほぼすべての領域において重要な検査なのである.インタラクティブであること:この教科書をただ受動的に読み進めることはできない.積極的に参加することで興味がわき,楽しく学習することができる.そして,教科書の内容もずっと記憶に定着しやすくなる.今回の版では,電子版を利用することでインタラクティブ性がさらに向上している.繰り返し,繰り返しまた繰り返すこと:重要事項は視点を変えて何回も取り上げられる.そうすることで,すでに習得された知識がより強化されるのである.使いやすいこと:オープンな形式とよく吟味された内容を通して,「この本が使える本である」ということがよくわかるだろう.楽しいこと:科学は容易である.対して,ユーモアは難しい.本書の初版は,その全体を通してジョークや洒落た言い回しに満ちている.“Principles of Chest Roentgenology” は勉強が必ずしも退屈なものではないことを証明した.そして,真剣な目的とユーモアとを見事に両立させた.詳しい左肺下葉の解剖学的知識が消え去った(多分これはさほど大きな悲劇ではないとは思うが)としても,ジョークはずっと記憶に残っている.第4版注目の改良点電子版:第4版から電子メディアも選択できるようになった.電子メディアはインタラクティブな学習の機会を提供するものであり,プログラム学習の教科書には理想的な媒体である.電子メディアは印刷物よりも高画質な画像を提供することもできるし,動画を表示することもできる.新しい画像診断の追加:この教科書は胸部X線写真の読影を学ぶことを主目的としているが,CT,MRI,超音波,PETの画像も同時に学べるようにした.間質性肺炎:このトピックスは多くの学生にとって難しいものである.電子版コンテンツにある “Interstitial Disease:A Picture Book” では,X線写真,CTにおけるさまざまな画像のパターンについて,日頃見慣れた品物の写真も利用してやさしく解説してある.用語集:他の領域と同様,放射線医学にも特有の用語がたくさんある.主な用語については、本文の中で定義を述べた.電子版では2つの用語集(X線写真とCT)を提供してある.謝 辞:まず,多くの学生およびレジデントにお礼を言いたい.彼らは長年にわたって刺激的な感想と示唆に富んだ助言を提供してくれた.第4版の改訂作業に背中を押してくれた妻のHannah,そして,大きな助力と得難い助言をくれた上席秘書のCarrie Gilbert女史,この2人には幾重にも感謝したい.さらに,紙媒体から電子版への移行というハードな作業を指導してくれたエルゼビアのDon Scholz氏,Maureen Iannuzzi女史,そしてStacyMatusik女史にも感謝する.ウィスコンシン大学の放射線科レジデント3年目のZack Laste君は各章を丁寧に校正してくれた.彼の意見は大変有益であった.ウィスコンシン州ミルウォーキーのMedical Center Graphicsの写真家Stanton Himelhoch氏とBarry Himel-hoch氏,挿絵画家のRobert Fenn氏にも謝意を表する.LAwREnCER. GooDMAn

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