2248評価プロセス×リハプログラム PT/OTリハ演習メソッド
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16Ⅰ 身体障害―A 中枢神経・(パーキンソン病の疑いから)Hoehn-Yahrの重症度分類の評価を行う(「1 歩幅が狭い:医療解説」の表1(▶p.7)を参照).・日常生活活動(ADL)起居,排泄,更衣,食事,入浴など基本的生活動作から,整容,外出,買い物,他者との交流など日常生活に関する動作を観察する.(2)姿勢観察を通じてふるえを評価する・立直り反応やパラシュート反射の有無,歩行障害や転倒しやすいかどうかなど姿勢反射障害を評価する.・体幹の前傾など,姿勢アライメントに崩れが生じていないかを観察する.・上肢動作時に手指にふるえが起こるかを観察する.・ふるえに精神的緊張が影響を及ぼしているかどうかを観察する.上肢のふるえの検査・測定結果と動作観察を統合し,解釈する●上肢のふるえに関する検査・測定結果・ROMテスト肩関節,肘関節,手関節,手指関節の全般にわたり軽度(10~20°)の可動域制限あり.・筋緊張 両上肢肘関節において歯車様現象を伴う中等度の筋固縮を確認した.・筋力測定(MMT) 上肢筋全体に4であった.易疲労性を認めた.左右差はない.・上肢機能 簡易上肢機能テスト(STEF)結果は83点であった. ペグボードの操作における手指の動きは緩慢であったが,動作中,ふるえは認めなかった.・ADL 入浴等,複合的な動作には見守りと多少の介助が必要である.その他の動作については時間はかかるが自立している.・Hoehn―Yahrの重症度分類 2度に該当した.プロセス❸図3 筋緊張状態の把握肘関節を他動的に動かしたときの抵抗を確認する.図4 ペグボード静止時の上肢のふるえや巧緻性を確認する.
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