2248評価プロセス×リハプログラム PT/OTリハ演習メソッド
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143Ⅰ 身体障害A 中枢神経Ⅰ 身体障害B 非中枢神経Ⅰ 身体障害C 脳性麻痺Ⅱ 高次脳機能障害Ⅲ 発達障害Ⅳ 精神障害1 道具を使うときに手を固く握りこんでいるABC手を固く握りこんでくる原因と運動発達障害を呈する疾患を理解する・手の把持動作の発達新生児~生後3~4か月までは手掌把握反射(図1)の影響により随意的把持動作はみられないが,3~4か月以降,随意的に握り・つまみ動作が可能になり,手指の巧緻性が発達する(図2).・手掌把握反射が残存すると,握りこんだものを離しにくくなる.・錐体路障害随意運動時に,筋緊張の亢進や,上肢では母指内転,手指屈曲,手関節屈曲,前腕回内といった異常姿勢が顕著となり,自分の意思に反して手を固く握りこんでしまう可能性がある.・運動は「体を動かそう」という大脳前頭葉に生じた意志が運動野に伝えられることに始まる.そこで発生した神経インパルスは,脊髄前角細胞に伝えられ,末梢神経を介して最終的に筋に収縮刺激として伝えられる.その間に大脳基底核と小脳が介在して筋緊張や運動の調整が行われている.その経路のいずれが傷害されても運動機能に障害(麻痺)が生じることになる.・原則的には,①大脳から脊髄前角細胞に至るまでの経路の障害であれば緊張は亢進して痙直型麻痺となり,②脊髄前角細胞以降の障害であれば低下し,筋力低下をきたして弛緩型麻痺プロセス❶図1 手掌把握反射手掌の尺側から刺激すると,手指を曲げてくる.図2 握り・つまみ動作の発達尺側握り(3~5か月)側腹つまみ(10か月)指腹つまみ(11か月)指尖つまみ(12か月)横浅握り(6か月)三指つまみ(8か月)ピンセットつまみ(9か月)

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