2248評価プロセス×リハプログラム PT/OTリハ演習メソッド
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144Ⅰ 身体障害―C 脳性麻痺となる.また介在する経路が傷害されると運動調節に支障をきたし,③大脳基底核の障害であればアテトーゼ型,④小脳の障害では失調型の麻痺を生じる.・実際には,これらが複合して現れることも多いため留意が必要である.・麻痺はその分布(図3)により四肢麻痺,両麻痺,対麻痺,片麻痺に分類される.・麻痺をきたした上肢の状態は上記①~④の状態によって異なり,①の痙直型では原始反射である把握反射の残存や屈曲パターンの増強がみられる.実際には肘関節は屈曲・回内,手関節は尺屈・掌屈,母指内転・手指屈曲位となる.②の弛緩型,④の失調型では低緊張の肢位が多く,③のアテトーゼ型では手指をばらばらにくねらせるような動きがみられる.児のおよその運動発達・ADL・知的発達レベルを知る(1)運動発達障害の状態を評価する(粗大運動・巧緻運動)・粗大運動     寝返り,床坐位,端坐位,四つ這い(移動),姿勢の変換,バランス.・巧緻運動     卓上(テーブルつき車椅子)で,上肢の運動機能(できること)をみる.・運動中の四肢・体幹不自然な動き(分離できていない)や上肢や手指の使用パターンを観察する.・原始反射・姿勢反射をみる. 移動状況     寝返り・臥位から坐位への姿勢変換・坐位姿勢の観察.着眼点…何ができて,どんな方法で行っているのか? 特徴を自分で真似してみると,運動のパターンや左右差がわかる(2)日常生活活動(ADL)・ここでは食事場面に限定現在の食事場面の様子・使用している器やスプーンの形状.・知的発達レベル    言葉や文字の理解の程度・現在の学校での学習習得度.プロセス❷図3 麻痺の分類灰:軽度の麻痺 ピンク:重度の麻痺a.四肢麻痺b.両麻痺c.対麻痺d.片麻痺

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