2250薬剤性腎障害DKI診療QandA
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される.セレコキシブ,エトドラク等の一部のNSAIDsは多くの臓器で炎症性に誘導されるCOX‒2に対する選択性が高く(COX‒2選択阻害薬とよばれる),消化性潰瘍を中心とした副作用の観点からより安全性の高いNSAIDsと考えられている.しかしCOX‒2は腎臓に恒常的に発現しているため,COX‒2選択阻害薬は非選択的NSAIDsと同様に虚血性腎障害を発症する.このためCOX‒2選択性にかかわらず,NSAIDsの使用の際には虚血性腎障害の発症に注意する必要がある.またCOX‒2選択阻害薬と非選択的NSAIDsの長期投与においても腎機能低下を同様に発症させるため,COX‒2選択阻害薬を含むNSAIDsの漫然とした長期投与は慎むべきである.NSAIDsによる急性間質性腎炎1) 発症機序 急性間質性腎炎(acute(tubulo)interstitial nephritis:AIN)の病態は薬剤に対するアレルギー反応である.欧米諸国でのAINの原因の大半は薬剤性であり,原因薬剤としては抗菌薬が圧倒的に多い.薬剤性AINの他の原因としてNSAIDs,プロトンポンプ阻害薬,H2遮断薬,抗てんかん薬などがあるが発症頻度は低い.NSAIDsによるAINの発症にはⅠ~Ⅳ型アレルギーすべてが関与する可能性がある.2) 臨床病理学的特徴・治療 AINの典型的な症状としては,発熱,発疹,血液中好酸球増多,血清IgE上昇,薬剤誘発リンパ球刺激試験陽性等を認めるが,NSAIDsによるAINでは,通常のアレルギーに伴う血液中好酸球増多や尿中好酸球増加は認められないことも多い.血尿の割合は高く,尿蛋白は1 g/日未満のことが多い.尿蛋白の主体は尿細管由来の微量尿蛋白であり,尿中NAG,α1‒マイクログロブリン,β2‒マイクログロブリンなどの増加を認める.急性期には腹部超音波やCTで両側腎の腫大を認める.また炎症核医学検査(ガリウムシンチグラフィ)で腎への集積が認められる.腎生検では間質への細胞浸潤,浮腫を様々な程度に認める2). 治療の基本は薬剤の中止であるが,それでも改善しない場合はステロイドの投与も検討すべきである.ステロイド投与は早期(約2週間以内)のほうが効果的であるという報告もある3).文献 1) Whelton A, et al.:非ステロイド系抗炎症薬.臨床家のための腎毒性物質のすべて,Clinical Nephrotoxins. De Broe ME,他編,杉崎徹三監訳,シュプリンガー・ジャパン,2008;227‒248. 2) 富野康日己,他編:薬剤性腎障害ケーススタディ 診療に活かす33の症例,南江堂,2010;36‒40. 3) Gonzalez E, et al.:Early steroid treatment improves the recovery of renal function in patients with drug‒induced acute interstital nephritis. Kidney Int 2008;73:940‒946. PMID:18185501 (藤田亜紀子,臼井丈一) Q16 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による腎障害にはどのようなものがありますか?各論A鎮痛薬45

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