2254育てにくさの理解と支援
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状況 保護者(親)の過保護・過干渉では,子どもの日常生活に関するものが一般的である.ここでいう過保護とは「自分でできることまで保護者(親)が手を出すこと」であり,過干渉とは「自己選択,自己決定の段階で介入すること」を指す.本項で取り扱う育てにくさとは,いわゆる口出しや手出しが多い保護者(親)とそれを嫌がる子どもという関係が,顕著に悪化した状態と捉えていただくとよい. 幼児期から小学校低学年では,保護者(親)の過保護や過干渉に対して表立って抗う子は少ない.しかし一見して従っているように見えても,内心はイライラしていたり納得がいかないという想いを持っていたりする.それが早い場合には小学校3年生あたりから,平均的には4年生くらいから口出しや手出しを嫌がるようになり,イヤな顔をするレベルから保護者に暴言を吐く,あるいは物に当たったり保護者(親)に手をあげたりといった段階までいろいろな状態が見られるようになる.そうした関係がこじれて相談機関を訪れるまでになっていく.解説 保護者(親)の過保護・過干渉に対する子どもの反発は,発達の過程で自然に出現するものである.一般に10歳頃より,第二の個体化と呼ばれる自己認識の変化が現れる.親離れをもう一段階進化させ,行動や思考の基軸を親から自分へと移す時期に入る.つまり親を参照して答えを見つけていた小児期から,自分を参照して自己選択・自己決定への道を歩み始める思春期に入る.しかし,多くの保護者(親)はそれに気づかず,口出しや手出しを続けて子どもの反発を高めてしまい,その激しさに戸惑うようになる.聞き取り・関わり方・観察のポイント 相談室で話を聞くと,過保護・過干渉な保護者(親)は,子どもはさておき自分が話をしたがるし,子どもに話を聞いていても横から口を挟んでくる.そのた123100小枝達也⓮過保護・過干渉な親と反発する子育てにくさの要因親子

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