2255ライフサイクルに沿った 発達障害支援ガイドブック
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75第2章 ライフサイクルに沿った具体的な治療と支援3 学習症(LD)―a 幼児期・学童期における課題と支援ADHDASDLD幼児期学童期思春期青年期成人期への継続  dyslexia,dyscalculia,解読指導,語彙指導 dyslexia(発達性読み書き障害)にしても,dyscalculia(算数障害)にしても,幼児期には気づきにくい.幼児教育では,読み書き計算を教えないからである.しかし,幼児は遊びを通して文字に興味をもつし,数を遊びのなかにも取り入れている.したがって,遊んでいる様子を観察すれば,文字が読めているか,ある程度の数の把握と操作ができるかについて,保護者は把握できるはずである.それが幼児期に気づかないのは,「まだ幼児だから」「小学校に入ってからできるようになるだろう」という思い込みがあるからにほかならない. 本来は幼稚園や保育所の年長組になっても,文字に興味を示さない場合や,遊びのなかで5までの数の把握が不確かである場合には,知的発達の遅れやdyslexiaやdyscalculiaを念頭におくべきである. では小学校に入学すると読み書き計算を学習するので,dyslexiaやdyscalculiaの児童はすぐに気づかれるかというと,必ずしもそうではない.保護者も教師も「まだ1年生だから」と思っていることが少なくない.またdyslexiaの児童は,良好な聴覚記憶力を駆使して上手にカモフラージュし,教師やクラスメイトには気づかれないようにふるまうので,低学年では気づきにくい.しかし,授業がわからず,板書の写しがつらくなってくると,授業中に落ち着きがなくなったり,登校渋りや不登校といったかたちで現れてくる. a 幼児期・学童期における課題と支援 1 気づきの遅れ3学習症(LD)

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