2255ライフサイクルに沿った 発達障害支援ガイドブック
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76第2章 ライフサイクルに沿った具体的な治療と支援a) T式ひらがな音読支援 筆者らは,dyslexiaを対象として,T式ひらがな音読支援と命名した早期診断と早期支援の方法を提案している1).T式ひらがな音読支援は二つの柱で構成されている.一つは2段階方式の音読指導である.p.21の「図2 音読の二重経路モデル」に基づき,誤読を減らす効果がある解読指導を行い,その後で音読速度の改善に効果がある語彙指導を実施するという2段階方式で音読を指導することを薦めている.それぞれ簡便に指導可能なアプリを提供している.解読指導のアプリは「音読指導アプリ」で検索すると無料で入手できる.1日1回,3週間の練習でかなりの改善効果が得られる2).語彙指導アプリは「ことばのべんきょう2年」「ことばのべんきょう3年」で検索すると無料で入手できる.語彙指導は半年から1年くらい毎日こつこつと続けると効果が得られる.それぞれ使用マニュアルに則って活用されたい. もう一つの柱はResponse to Intervention(RTI)といって,音読の評価と指導を繰り返し,困難さが続く小児にはより濃密な指導を行うという教育モデルである3).筆者らが考案したものは図1に示したように,小学校1年生のうちに個別に平仮名の音読評価を3回行って,基準値以下であった児童は,前述の解読指導アプリを使って平仮名 2 治療として何ができるか6月8月~11月2月改善がない部分的な改善音読が困難改善がない部分的な改善改善がない部分的な改善改善した改善した改善した12月~段階I:学級内での読み書き指導段階II:解読指導(音読アプリで)段階II:解読指導(音読アプリで)段階III:解読&語彙指導(個別)dyslexiaの診断へ指導評価終了終了終了小学校1年生小学校2年生図1RTIによる早期発見と早期介入のモデル
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