2262褐色細胞腫診療マニュアル 改訂第3版
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第2章 悪性褐色細胞腫 A 悪性診断に必要な画像検査89●●●Ⅱ 臨床編 第2章 悪性褐色細胞腫に,悪性腫瘍は正常組織と比較して細胞密度が高く,水分子の拡散能が低下しているため,この方法は悪性腫瘍の診断に応用されている(図1d).拡散強調MRIは腫瘍に対する特異性が低いため,副腎の腺腫と悪性腫瘍の鑑別には有用でないとの報告もあり,悪性褐色細胞腫の診断における有用性については,エビデンスレベルの高い検討結果は得られていない.123I-MIBGシンチグラフィ 123I-MIBGシンチグラフィは,カテコールアミンの取り込みを反映した画像であり,褐色細胞腫に関して特異性の高い診断法であるが,良・悪性の鑑別は困難である2, 3).123I-MIBGシンチグラフィは全身を撮影し,病巣が陽性描画されるため,副腎外の病変や転移巣の診断がCTやMRIと1図 悪性褐色細胞腫(34歳女性)左副腎褐色細胞腫で左副腎摘除後,局所再発と多臓器の転移が疑われた.a: 腹部単純CT.左腎に接する腫瘤が認められる(→).腫瘤の内部は低吸収である.b: 胸部単純CT.右肺下葉に5 mm程度の結節があり,肺転移の所見である(→).c: T2強調MRI(冠状断).左上腹部に,内部が著明な高信号,辺縁が等信号の腫瘤が認められる(→).d: 拡散強調MRI(水平断).椎体の左前部に高信号の腫瘤が認められる(→).e: 123I-MIBGシンチグラフィ(左:前面像,右:後面像).両肩,胸椎,腰椎,左上腹部および骨盤部に多発性の異常集積が認められる(→).右肺の転移巣にも異常集積が認められる(→).f: 骨シンチグラフィ(左:前面像,右:後面像).左肩,第11胸椎左側,右腸骨に明瞭な異常集積がある(→).g: 18F-FDG PET/CT.左上腹部と右腸骨に明瞭な18F-FDGの集積が認められる(→).右腎盂,尿管の排泄像および消化管への集積がみられる.acdbegf
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