2264症例から考える針筋電図
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55症例4:Giant MUP4Ⅱ基本症例編    上腕二頭筋(Biceps brachii)4–1MMT 5 安静時:100µV/div,10ms/divfibrillation potential,positive sharp wave (PSW)は認めないが,fasciculation potentialの2連発を認めるNerve conduction study尺骨神経CMAP振幅の減少,脛骨神経F波最短潜時の軽度延長を認めるがSNAPは正常(正中神経のF波出現率は低下していた). 神経伝導検査結果表1DML(ms)CMAP(mV)MCV(m/s)SNAP(µV)SCV(m/s)F-wave Lat.(ms)Rt. Median3.88.159346328Rt. Ulnar2.33.154184828Rt. Tibial4.31444−−51Rt. Sural−−−1441−Needle EMG若年発症で数年の経過で進行性した四肢筋力低下,高CK血症の患者.神経原性,筋原性いずれの可能性も考えられる.神経伝導検査でのSNAPが低ければシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)などの末梢神経障害が鑑別の上位にくる.MCVが正常であればCMT1は除外される.針筋電図(遠位筋および近位筋)で慢性の神経原性疾患,筋原性疾患の鑑別を行い,筋生検か遺伝子検査のどちらを行う疾患か検討をつける.年齢を考慮した鑑別としてはCMTやHMN(遺伝性運動ニューロパチー)および運動ニューロン疾患などの神経原性疾患,ジストロフィノパチーやGNEミオパチーをはじめとした筋原性疾患,ミトコンドリア病などの代謝性疾患などがあげられる.電気診断のストラテジー

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