2264症例から考える針筋電図
8/15

56Ⅱ.基本症例編    上腕二頭筋(Biceps brachii)4–2MMT5安静時:5mV/div,10ms/divやや針先が遠方に位置するため波形が俊敏な立ち上がりを示していないが,10mVを超える大きなMUPが最大18Hzで発火しており,別のMUPは動員されずほぼsingle oscillationの所見.この筋に筋力低下は目立たず,高度な運動単位の減少と十分な神経再支配が疑われる.    前脛骨筋(Tibialis anterior)4–3MMT4随意収縮:2mV/div,10ms/div2種類のMUPが確認できる.当初ほぼ15ms後方にsatellite potentialを伴っていたが,針先が遠ざかるにつれて消失し,運動単位全域を捕捉できる位置になると主たる電位の振幅が大きくなってhigh amplitude long duration potentialとなった(図2).一見多くのMUPがあるようにみえるが,実際には画面上で観察できているMUPは2種類のみである.安静時にはごくわずかのfibrillation potentialと散発するfasciculation potentialを認めた.

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る