2274補聴器のフィッティングと適用の考え方
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 補聴器を両耳に装用することは,正常者の聴覚機能でみられる両耳聴の効果を補聴器使用者が得られることを目的としている.両耳聴を得るには両耳の補聴閾値が同じであるようにフィッティングする.その理由を本章B-1に記している.また,A-4には両耳聴の効果を期待できる感音難聴者の頻度と適応の原則を記している.なお,両耳装用の適応の判断には聴力検査が正しく行われることが前提でありC-3,C-5が関係する事項である. 両耳聴の効果についてはB-2に記した.それぞれの難聴者で両耳装用の効果のどれが得られるかについて,補聴器を適用するものは判断して説明し,難聴者が効果を自覚できるようにすることが求められる.難聴者は両耳装用の有効性を自分自身で判断することができ,片耳装用か両耳装用かを判断できる. B-4には,わが国に広く流布している誤った説明について記している.その理解のためにB-3に聴覚中枢の構造(解剖)を記した.利益最優先の補聴器販売は,高度に情報化され権利が保証された現代の日本社会で存在し続けることはできないと予測される.P章に記した制度はそれを保証している.B両耳装用の効果B-1◆両耳装用におけるフィッティングと適応の判断B-2◆両耳装用の効果B-3◆聴覚中枢路(上行路)と,聴覚中枢の構造B-4◆両耳装用の不適切な説明

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