2275国立成育医療研究センター 基本から実践まで!! すぐに役立つ 医療保育実践マニュアル
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73Ⅱ.症例別にみた保育支援A 保育の基本B 保育の実践C 多職種連携と医療現場における保育士教育 保育支援を行う際には,患者・家族や他職種,診療記録などから得た情報をアセスメントし,保育目標・ねらい・患者目標(患者の目指す状態)・保育計画を設定します. ここでは,各症例をあげ,その内容によって,3つの時期に分け,各時期の患者・家族の様子やアセスメント,保育計画,留意点・配慮点を紹介します.概 要入院目的薬物療法と補液入院期間6か月家族構成父・母(共働き),本人患者の様子中学1年生で絵を描くことや制作など細かい作業を好む入院環境大部屋(4人床),付き添いはなし急性期(入院~2か月)1(1)患者(家族)の様子 血便や下痢,嘔吐,腹痛,肛門周囲潰瘍などの症状があり,検査の結果,クローン病と診断され,治療が開始されました.診断後,医師や看護師,CLSから疾患や治療について説明されましたが,表情はかたく,黙ってうなずいているだけでした.入院生活に関しては,入院時より絶食が続き,食に対して大きなストレスを抱えており,同室の患者が食事をする様子を見て,泣いていることがあります.また,医師や看護師による排便チェックや便性状の確認,浣腸などに対して「恥ずかしい」などの発言が聞かれ,排泄に関するストレスも抱えています.家族とは笑顔で会話していますが,病棟スタッフに対しては,質問などには答えるものの,自ら声をかけたり積極的に話をしたりする姿は見られません.(2)アセスメント 疾患への受容ができていないまま治療が始まった可能性があるため,自分の気持ちを整理することができておらず,精神的に不安定な状態が続いています.また,思春期であり,他の友達とは異なる食事や排泄に関するストレスを多く抱えて入院生活を送っている可能性があるため,抱えているストレスを緩和することができるよう支援する必要があります.(3)保育計画①ね ら い:III.心身の発達と安定 心身が安定した治療生活を支援するクローン病の治療のため入院した12歳10か月女児1B章 保育の実践Ⅱ症例別にみた保育支援
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