2287骨関節画像診断入門 第4版
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はできないので,これを異常所見としない人もいる。広く用いられている半月板内の異常信号のgrade分類(図9-3)を以下に示す。Grade1:類円形あるいは不定形の高信号で,関節面に達していないもの。Grade2:線状の高信号で,関節面に達していないもの。Grade3:類円形あるいは線状の高信号で,関節面に達するもの。Grade1および2は軟骨基質内の変性であるので,報告書には書かない方がよい。このgradeはあくまでも放射線学的基準であって,整形外科医には広く知られておらず,「断裂」という言葉から不必要な関節鏡検査が行われてしまう結果にもなりかねない(すなわ1759.膝関節のMRAB図9-1正常の半月板.A:T1強調矢状断像.外側半月板を通るスライス.半月板は均一な低信号域として描出されている.半月板が蝶ネクタイ様の形態(bowtieconfiguration)を示していることから,このスライスは半月板体部を通っていることがわかる.正常者では,スライス厚が4〜5mmの場合,半月板体部は2スライスにわたって認められる.B:Aと同様のT1強調像.外側半月板の前角および後角が均一な低信号域として描出されている(図の左側が前方).AB図9-2軟骨基質内変性.A:半月板後角内にかすかな高信号域が認められるが(矢印),関節面には達しておらず,軟骨基質内の変性の所見である.B:半月板後角に線状の高信号が認められる(矢印).この線状陰影は関節面に達していないことから軟骨基質内変性と診断される.Grade 1Grade 2Grade 3図9-3半月板内異常信号のgrade分類.Grade1は,類円形あるいは不定形の高信号が関節面に達していないもの.Grade2は,線状の高信号が関節面に達していないもの.Grade1と2は軟骨基質内の変性である.Grade3は,類円形あるいは線状の高信号が関節面に達するものであり,半月板断裂を示す.
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