2287骨関節画像診断入門 第4版
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これから各疾患の鑑別点を簡単に述べていくが,これらの事項はどの骨放射線診断学の教科書でも詳しく書かれていることである。しかし,著者が本書でとりあげるのは,その疾患に特徴的な事項であり,これにより他の疾患との鑑別が可能となるようなものである。表2-1に鑑別点の概略を示した。FIBROUSDYSPLASIA線維性骨異形成症鑑別のための勉強を線維性骨異形成症から始めるのは,あまりよい方法とはいえない。なぜなら,線維性骨異形成症はさまざまな疾患に類似したX線所見を呈するからである。線維性骨異形成症は,2.良性溶骨性病変10記憶法:FEGNOMASHICFFibrousdysplasia線維性骨異形成症疼痛や骨膜反応がない.もし脛骨に病変があれば,アダマンチノーマも考えられる.EEnchondroma内軟骨腫必ず石灰化がある(指骨以外).疼痛や骨膜反応がない.Eosinophilicgranuloma好酸球性肉芽腫必ず30歳以下.GGiantcelltumor巨細胞腫①骨端が必ず閉じている,②必ず関節面に接する,③境界明瞭で硬化縁をもたない.④偏心性である,NNonossifyingfibroma非骨化性線維腫必ず30歳以下.OOsteoblastoma骨芽細胞腫動脈瘤様骨嚢腫と同じ.ただし30歳以上でもよい.MMetastaticdisease(mets) andMyeloma転移性腫瘍と骨髄腫必ず40歳以上.AAneurysmalbonecyst動脈瘤様骨嚢腫必ず30歳以下.膨張性.SSolitarybonecyst孤立性骨嚢腫必ず中心性分布.必ず30歳以下.HHyperparathyroidism(BrownTumor)副甲状腺機能亢進症(褐色腫)必ず副甲状腺機能亢進症の所見がある.Hemangiomas血管腫IInfection感染関節に隣接するときは必ず関節にも病変が及ぶ.CChondroblastoma軟骨芽細胞腫必ず30歳以下.必ず骨端部に病変あり.ChondromyxoidFibroma軟骨粘液線維腫非骨化性線維腫と同じ.30歳以下骨膜炎や痛みがない骨端部多発性(FEEMHl)好酸球性肉芽腫動脈瘤様骨嚢腫非骨化性線維腫軟骨芽細胞腫孤立性骨嚢腫線維性骨異形成症内軟骨腫非骨化性線維腫孤立性骨嚢腫軟骨芽細胞腫感染(骨髄炎)巨細胞腫軟骨下嚢胞(Geode)好酸球性肉芽腫副甲状腺機能亢進症(褐色腫)線維性骨異形成症(F)好酸球性肉芽腫(E)内軟骨腫(E)転移性腫瘍と骨髄腫(M)副甲状腺機能亢進症(H)血管腫(H)感染(I)表2-1良性溶骨性病変の鑑別診断

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