2293スキルアップ!小児の総合診療
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719.悪心・嘔吐・下痢二次診療:入院時の鑑別診断と初期治療1.入院になった場合の追加の病歴聴取1)悪心・嘔吐 ①経過(急性・慢性・周期性),症状のタイミング(日内変動・食事・月経との関連),②嘔吐内容,③嘔吐するときの様子・困難感,④随伴症状,⑤周囲流行・同様の症状の家族,⑥既往歴・服薬・家族歴(周産期死亡歴・突然死)・社会歴(ストレス).2)下痢●急性(2週間未満):病歴と便性状に留意する.●慢性(2週間以上):年齢に留意する. ①経過(増悪スピードや全身症状との発症の順番),②便性状(水様性・血便・脂肪便),③食事摂取時間・食事内容,④周囲流行・渡航歴・環境曝露歴(川)・接触歴(猫・亀・爬虫類)・予防接種(ロタウイルスワクチン),⑤医療曝露歴・抗菌薬使用歴,⑥血尿・乏尿,⑦慢性の場合:発症年齢・頻度・夜間の症状・免疫不全徴候(感染歴・成長曲線など).虐待を疑う場合■発言者と発言内容をそのまま記録する.可能であれば分離面接を行う.■母子手帳(健診や予防接種),成長曲線を確認する.Point2.入院になった場合の追加の身体所見 バイタルサイン,意識状態,神経学的診察,頭頸部(大泉門,髄膜刺激徴候,眼球運動,黄疸,鼓膜,咽頭,口腔内,口臭),胸部所見(呼吸音,心音),腹部所見(手術痕,膨満,腸蠕動音,肝脾腫,腫瘤),鼠径部,外性器,直腸診(便性状,骨盤内腫瘤),皮膚(黄疸,ツルゴール,発疹・紫斑,瘻孔,スキンタグ),関節.3.入院になった場合の追加の検査1)血液検査・尿検査 「全身状態が良好,病歴や身体所見に異常がない,脱水が軽度である」などにあてはまらず,脱水が中等度以上,嘔吐/下痢が慢性・周期性である場合,血液検査・尿検査でスクリーニングを行う.代謝疾患を疑う場合は,血糖・血液ガス・アンモニア,有症状時critical sample(残血清,尿,濾紙血,乳酸・ピルビン酸,血清アミノ酸分析,尿中有機酸分析)が重要.Tips2)画像検査 腹部疾患が疑われる場合は腹部X線検査や透視造影検査を行う.吐血や組織学的検査が必要な場合(H. pylori感染症,好酸球性胃腸炎,蛋白漏出性胃腸症,リンパ管異常症,慢性炎症性腸疾患)は内視鏡検査を考慮する.アカラシアや偽性腸閉塞(糖尿病,強皮症,アミロイドーシス)を疑う場合はマノメーターを用いる.血管病変や虚血を疑う場合や,詳細な評価が必要な場合はCT検査やMRI検査を行う.また,随伴症状や身体所見から他の臓器疾患が示唆される場合はその臓器に応じて検査を

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