2300小児腎臓病学 改訂第2版
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2)次世代シークエンサーによるシークエンス法ゲノムDNAを制限酵素などにより断片化(frag-mentation)し,その両端にprimer配列を含んだアダプターを付加する.その後,PCR増幅およびシークエンス反応を行うことで網羅的にゲノムDNAの配列を決定することが可能となる.ゲノムDNA全配列の決定を行うWholeGenomeSequence(WGS),ゲノムDNAの1%にすぎない蛋白コーディング領域のみの配列を決定するWESおよび,目的とする遺伝子のみターゲットとするtargetedsequence法などがある.3)MultiplexLigation-dependentProbeAmplifi-cation(MLPA)法遺伝子のエクソン単位の欠失および挿入を検出する方法である.とくにヘテロ接合体での広範囲欠失はシークエンス法で検出することが難しく,本方法による検索が必要である.具体例を図3に示す.通常,常染色体上の遺伝子はすべてのエクソンにおいて2コピー保持しているが,MLPA法では1コピーしかない場合の検出が可能である.第4章検査・診断法136Copy numbervariations染色体異常遺伝子異常遺伝子染色体G−banding(G分染法)直接シークエンス(Sanger法)次世代シークエンス(NGS)アレイCGHFISH法MLPA法図2染色体・遺伝子の検査方法12345678PCR法12345678RT−PCR法ゲノムDNAintronmRNA蛋白転写スプライシング翻訳アミノ酸3塩基アミノ酸CAGCAGGAACTCTACTTTGAGexon図1ゲノムDNAから蛋白の産生される過程

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