2304東大病院 新生児診療マニュアル
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担当にも伝える.採血のタイミングはサージを避けるため日齢4以降とし,週末・連休では適宜調節. ●母体バセドウ病:FT4が3.0以上の場合は,症状(HR>160/分が持続,甲状腺腫大,眼球突出,発汗,振戦)がなくても退院延期し,2~3日後再検(新生児バセドウの発症は多くが生後1週間あたりのため). ●母体橋本病:臍帯血と児血チェック両方でTSH>12 mIU/mLまたはFT4<1.0 ng/dLだった場合は内分泌医コンサルト. ●判断しかねる場合や,外来フォローの必要については内分泌医にコンサルトする. ❖d 自己免疫疾患母体児 ●新生児ループスをおこしうるのは,抗SS‒A抗体,抗SS‒B抗体,抗U1‒RNP抗体が陽性の場合のため,図1のフローチャートに沿って管理を行う.抗リン脂質抗体についても合併があれば図2のフローチャートを使用. ●心病変:新生児ループスの心病変は基本的に胎内発症(胎児期に房室ブロックの症状があればNICU入院が確実)とされている.13B 産科新生児管理第1章B 産科新生児管理図1●自己免疫疾患母体児の管理(胎児心ブロックなし)母体SS-A,SS-B,U1-RNP抗体価確認検査されていなければ産科に依頼(院内検査なので当日結果確認可能)母で陽性の自己抗体臍帯血または児血で検査退院前に児血で血算肝機能フォロー追加検査不要検査不要陰性陽性=新生児ループスの可能性あり陰性陽性※新生児回診で皮疹に注意・臍帯血で血算,AST,ALT,ALP,母で陽性の自己抗体(産科に依頼)・1日SpO2モニター装着・心電図検査(不整脈モニタリングのため,臍 帯血で自己抗体陰性なら不要)

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