2314脳解剖から学べる高次脳機能障害リハビリテーション入門 改訂第2版
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42A高次脳機能障害とは 高次脳機能障害とは,病気や交通事故など,様々な原因によって脳に損傷をきたしたために生ずる,言語能力や記憶能力,思考能力,空間認知能力などの認知障害や精神機能の障害のことである. 日常生活場面では,たとえば,・今朝の朝食の内容が思い出せなくなった(記憶障害)・仕事に集中できなくなった(注意障害)・計画が立てられなくなった(遂行機能障害)・ 言葉が上手に話せなくなった,人の話が理解できなくなった(失語症)・お茶の入れ方がわからなくなった(失行症)・道に迷うようになった(地誌的障害)・ 左側にあるおかずに目がとまらず残してしまうようになった(左半側空間無視)など,様々な症状がみられる. 高次脳機能障害の原因として,脳血管障害(脳卒中)が最も多く,脳梗塞や脳出血,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage;SAH),脳動静脈奇形(arteriovenous malformation;AVM)などがこれに含まれる.次に多いのが,脳外傷(外傷性脳損傷:traumatic brain injury;TBI)であり,脳挫傷,急性硬膜下血腫,急性硬膜外血腫,びまん性軸索損傷(diuse axonal injury;DAI),外傷性脳出血,外傷性くも膜下出血などに分類される.その他,低酸素脳症や脳腫瘍,脳炎などの感染症も原因となることがあり,認知機能や精神機能に異常がないかどうか確認が必要である.メモしたけど,よくわからない

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