2314脳解剖から学べる高次脳機能障害リハビリテーション入門 改訂第2版
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84図34代表的な脳腫瘍の発生部位星細胞腫膠芽腫髄膜腫(髄外)転移性脳腫瘍上衣腫脈絡叢乳頭腫胚細胞腫瘍星細胞腫髄芽腫非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍(AT/RT)上衣腫星細胞腫膠芽腫星細胞腫胚細胞腫瘍頭蓋咽頭腫下垂体腺腫大脳半球大脳半球側脳室側脳室松果体松果体小脳小脳第四脳室第四脳室脳幹部脳幹部視床下部・視神経・トルコ鞍周辺視床下部・視神経・トルコ鞍周辺 脳腫瘍のリハビリテーションは,脳血管障害や脳外傷と同様に効果がある(表4)13~25). 放射線照射の影響は認知機能低下の大きな要因ではあるが,それ以外に腫瘍自体,症候性てんかん,手術,化学療法,心理的ストレスなどによる諸々の影響が大きいと考えられている26~28). 小児脳腫瘍 小児脳腫瘍は小児がんの中で,白血病に次いで第2位を占め,固形癌のなかでは最も多い. 成人脳腫瘍と比較して,低悪性度神経膠腫,胚細胞腫瘍,髄芽腫,頭蓋咽頭腫,上衣腫,非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍などが多い(図33,34). 2歳以下や10歳以上はテント上に多いが,3歳~10歳未満はテント下に多い. 小児脳腫瘍経験者では,晩期合併症として,知的機能の障害,高次脳機能障害,神経学的後遺症,内分泌学的後遺症,脳内特有の後遺症,他臓器の障害や二次がんの発生をきたすことが問題視されている29).■ 星細胞腫 小脳星細胞腫は小児脳腫瘍で最も多い.緩徐に進行する小脳失調症状などで発症することが多いが,閉塞性水頭症に伴う急性頭蓋内圧亢進症状をきたすこともある. 全摘出すると10年以上の長期生存率は90 %以上である30).■ 髄芽腫 小脳虫部の下半部を中心に発生し第4脳室を充満し,時に脳幹への癒着や浸潤をきたし,髄腔内播種をきたしやすい.臨床症状としては頭蓋内圧亢進による頭痛,嘔吐,意識障害や体幹失調な

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