2316臨床遺伝学テキストノート
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141第11講義出生前診断第11講義出生前診断な検査がある.網羅的な検査の代表である染色体検査を考慮した場合に非確定的検査と確定的検査がある.通常,非確定的検査によってリスクを判定し,確定的検査を受けるかどうかの判断を行う. 1)非確定的検査 現在は21番,18番,13番トリソミーが非確定的検査の対象疾患であり,国内で可能な検査は①胎児後頸部浮腫(nuchal translucency:NT)をはじめとした超音波での第1三半期スクリーニング(母体血清マーカーとの組合せ検査を含む,▶p.28別冊付録1⑫),②第2三半期における母体血清マーカー検査(▶p.28別冊付録1⑫),③母体血中セルフリー胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(non invasive prenatal genetic testing:NIPT)(▶p.146コラム10)があり,実施する場合にはそれぞれの特徴や精度を正確に理解して行うことが重要である. 症例のRobertson型転座のような構造異常を背景とした場合には,前提としての遺伝学的評         均衡型Robertson型転座保因者の女性が配偶子(卵子)をつくり,正常核型の男性由来の精子と受精した場合図2der(14;21)21142114母:45,XX,der(14;21)(q10;q10) ①は交互分離②と③は隣接分離父:46,XY減数分裂受精正常核型均衡型Robertson型転座保因者14トリソミー(致死)14モノソミー(致死)21トリソミー21モノソミー(致死)①①②②③③

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