2319小児腎血管性高血圧診療ガイドライン2017
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経などがあげられる1).また,不穏状態や睡眠障害,感情の激しい起伏,注意力散漫などの様子の変化が初期症状としてみられる場合もある6).腎血管性高血圧に比較的特異的な所見として,腹部の血管雑音があるが,聴取されない場合も多く血管雑音がないことは腎血管性高血圧の否定にはならない7,a).clinical question2血液検査,血漿レニン活性の測定は小児腎血管性高血圧の診断に有用か❖❖小児腎血管性高血圧ではRAA系の亢進によりしばしば低カリウム血症を認め,また,慢性糸球体腎炎など他の腎実質性障害に起因する二次性高血圧の鑑別に腎機能を含む血液検査は有用である.推奨グレードC1❖❖血漿レニン活性は,特に幼少児では異常の判断が困難な場合が多いため,腎血管性高血圧の診断確定のための検査としては有用ではない.推奨グレードC2本症の診断や二次性高血圧をきたす他疾患の鑑別のために,血液検査は必須である.初期血液検査項目としては,BUN,クレアチニン,電解質および血液ガスなどが有用であり,BUN,クレアチニン,カリウムなどの上昇は両側腎の実質障害が存在する場合に認められ,また,カリウムの低下は腎血管性高血圧を含む,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系の亢進状態でしばしば認められる所見である.安静時の末梢血検査で血漿レニン活性(plasma renin activity:PRA)の上昇を認める場合が多いが,画像検査で腎血管狭窄が証明された患児においても,約15%の症例ではPRAは正常値である8).また,PRAは体動や塩分制限(不足)などにより上昇しやすく,特に幼少児では異常の判断が困難な場合が多い9).尿検査は,腎血管性高血圧の診断に直接結びつかない場合が多いが,簡便な検査であり,慢性糸球体腎炎など他の二次性高血圧の鑑別に有用である.また,片側の腎動脈狭窄による腎血管性高血圧によるRAA系の亢進により,健側腎からのナトリウムの漏出を生じ,多尿,口渇などをきたす病態(hyponatremic hypertensive syndrome:HHS)が知られ10),著明な低ナトリウム血症や蛋白尿を生じる.このような病態では血液検査,尿検査とも診断に有用である.ステートメント解説CQ1,CQ213
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