2323脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2017
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6はじめに1 椎骨脳底動脈(vertebrobasilar artery:VB)系の急性期脳梗塞は,主幹動脈閉塞例の約10%程度を占め,特に脳底動脈(basilar artery:BA)閉塞は重篤な症状を示し,生命予後も不良であることはいうまでもない. VB系の急性主幹動脈閉塞に対して,血栓回収療法を行う場合のアクセスについて述べる.椎骨動脈の解剖と血管径2 VB系の急性閉塞に対しては,当然ながら椎骨動脈(vertebral artery:VA)を介して治療を行うことがほとんどである. VAは正常解剖では左右の鎖骨下動脈から分岐し,その内径は2.5~4.0mm程度であり,左側がdominantであることが多い(60~75%).左VAは時に大動脈弓部から直接分岐することがある(2.4~5.8%).椎骨動脈起始部はしばしば屈曲が強く,脳梗塞症例では起始部狭窄が13~32%で認められる1,2).また,急性期脳梗塞例の18.6%で一側のVAが低形成であり,VAの低形成は後方循環系の脳梗塞例で多いことが報告されている3).一般的なガイディングシステム3 上記のように,VAはICAに比して血管径が細いため,7Fr以下のガイディングカテーテルや6Frのガイディングシースを用いることが多い.ただし,dominant sideでよく発達したVAでは8Frのガイディングカテー国立循環器病研究センター脳卒中集中治療科 山上 宏VB系の血栓回収療法におけるアクセス2I ミニレクチャー「アクセス・私の工夫」◉ 椎骨動脈の左右差,低形成,起始部狭窄の有無,分岐の破格などを考慮してアクセスする側を決定する.◉ 椎骨動脈の血管径に合わせて7Fr以下のガイディングカテーテルや6Frのガイディングシースを用いることが一般的で,第3~4椎体レベルの高さまで進めて安定性を高めることが望ましい.◉ 椎骨動脈の蛇行が強い場合には,鎖骨下動脈にサポート力の強い8Frガイディングシステムを留置してVAへアクセスする方法や,上腕動脈からガイディングシースを用いてアクセスする方法などがある.◉ 血栓回収療法においては治療時間の短縮のために,アクセス困難な場合に一つの方法にいたずらに時間をかけず,迅速に次の手段を考えてガイディングシステムを変更していくべきである.ssential PointE

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