2323脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2017
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114 橈骨動脈アプローチは,循環器領域でのinterventional radiology(IVR)では頻用されているが,脳血管領域で用いられることは少ない.上腕動脈アプローチに比べ操作性が劣ることもあるが,シース先端を上腕動脈まで誘導できれば,のちの操作性に違いはなく,皮下血腫形成のリスクも少なく有用である1).橈骨動脈穿刺の手順1 橈骨動脈穿刺は,手関節部をやや背屈させ軽く固定し橈骨動脈が触知しやすい状態で行う(図1).局所麻酔は除痛以外に血管攣縮を予防する目的で,皮下および血管周囲に浸潤させる.キシロカインの量が多すぎても動脈の拍動が触知しづらくなることがあり,通常2~3mLの量で十分である.動脈穿刺を繰り返すことにより攣縮をきたし,動脈血の逆流が微弱となることがあるが,正確に動脈内に静脈留置針の外筒が挿入されれば動脈血の十分な逆流をみることがほとんどである.動脈の拍動は触知しづらくなる原因として,血管攣縮,血管損傷(解離等),血腫形成,全身血圧低下等が考えられる.また,橈骨動脈が閉塞していたとしても手掌輪を介して,尺骨動脈からの逆流血の拍動が触知されることがある.10分以上,穿刺に時間を要するようであれば,躊躇せず経上腕アプローチに切り替えることを検討する.橈骨動脈経由でのカテーテルの 誘導2 上肢の血管(上腕動脈,橈骨動脈)は側枝を多く有するため,透視下にガイドワイヤーを進めることが望ましい.ガイドワイヤーが進みづらい場合は,側枝に迷入を防ぐためにガイドワイヤーをJシェイプで進める(図2,図3).抵抗があるにもかかわらずやみくもにガイドワイヤーを進めると,血管を穿通す徳島大学脳神経外科 里見淳一郎trans-radial approachの方法とピットフォール2◉ 診断アンギオは,4Frシースを穿刺し4Frカテーテルで行う.◉ 血管内治療は,4Frもしくは5Frスーパーロングシースを用いると,6Frもしくは7Frガイディングカテーテルとして使用できる.6Frシースまで穿刺可能であるが,5Frシースにとどめておくことが望ましい.◉ 右VA経由,右ICA経由の手技は行いやすいが,左ICA,左ECA,左VA経由の場合,カテーテルの誘導に工夫を要する.◉ CAS,血栓回収,将来,前腕にシャント造設の可能性がある場合には不向きである.E.上腕,橈骨動脈II アクセスのすべて―脳血管内治療成功の鍵ssential PointE

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