2323脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2017
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III AISの血管内治療はここまで進んだ179tional Surgeryが推奨する各目標時間である.日本と医療システムが異なるところはあるが,来院~CT,来院~IV-rtPA開始,来院~穿刺,来院~再開通までの目標時間は,それぞれ15分,30分,60分,90分である5).来院から画像検査まで3 来院~再開通までの時間経過を,来院,画像検査,IV-rtPA,穿刺,再開通にわけて,各時間の短縮に必要なことを考察する.まず来院~画像検査までであるが,最初に診療を行う医師が誰であるかは施設によって異なるのが日本の現状である.脳卒中専門医であればもちろんのことだが,救急医が初期診療を行う施設であれば,主幹動脈閉塞を疑う時点で画像検査をすみやかに行うことを啓発する必要がある.画像検査までに実際に必要な処置は,血液検査と静脈ルートの確保ぐらいなので,多くの施設で十分に可能な時間短縮であると考える.もちろん放射線技師を呼び出す必要がある施設であれば,患者が到着するよりも前,すなわち搬送連絡があった時点で,画像検査の準備を開始する必要がある.Check Point 時間短縮において,初動を搬送連絡時に開始することは,最も重要なポイントである.主幹動脈閉塞症が疑わしい患者の搬送連絡があった時点で,治療に関連する医師,コメディカルスタッフ,部署への連絡を行い,準備を開始することが,時間短縮への近道である.表1  Society of Neurointerventional Surgery suggested stroke process time metrics*ActionTime(min)†SNIS‘ideal’time‡Door to physician<10On arrivalDoor to NCCT/CTA<25On arrivalDoor to stroke team<15<10 minDoor to NCCT interpretation<45<15 minDoor to CTA interpretationN/A<20 min(or 10 min after acquisition)Door to IV-rtPA<60<30 minDoor to CTP/MRI(optional)N/A<30 minCSC Door to punctureN/A<60 minCSC Door to recanalizationN/A<90 minPSC picture to CSC puncture§N/A<90 min*Assuming emergency medical services prenotification.†AHA 2013 standard.‡SNIS ideal.§Assuming direct transfer to biplane neuroangiography suite when feasible.AHA, American Heart Association;CTA, CT angiography;CTP, CT perfu-sion;CSC, Comprehensive Stroke Center;NCCT, non-contrast CT scan;PSC, Primary Stroke Center;SNIS, Society of NeuroInterventional Surgery;rtPA, tissue plasminogen activator.(文献5より)

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