2333新しいめまいの診断と治療
13/14

症例1442歳,女性[主訴]体動時回転性めまい[既往歴]X年2月より,頭重感と強い首凝り・肩凝りが続いていて,某整形外科医院に通院している。[現病歴]X+1年2月初旬より,体動時の回転性めまいがあり,2月16日当科紹介となる。めまいに随伴消長する蝸牛症状はなかった。[初診時所見]聴力検査(気・骨)では,典型的な両側の低音障害型難聴であった。自発眼振,頭位眼振,頭位変換眼振は認められなかったが,強い首凝り・肩凝りと悪心を訴えている。血圧は,安静仰臥位で104/68,起立直後で96/66であった。[治療経過]低血圧と過労による血圧の変動による,椎骨脳底動脈系の循環不全と考え,脳循環・代謝改善薬(アデホスコーワ3.0g/日)と昇圧薬(メトリジンD2錠/日)の投与を初診日より開始した。治療開始以降めまいはなくなり,治療開始4週後までは強い首凝り・肩凝りも消失していた。初診時,オージオグラム上認められた両側の低音部の低下は,治療開始から4週以内に改善傾向を示した。Ⅳめまい症例の検討71-1001020304050607080901001101252505001000200040008000周波数[Hz]初診時聴力レベル[dB]-1001020304050607080901001101252505001000200040008000周波数[Hz]治療開始 4週後聴力レベル[dB]

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る