2335はじめて学ぶ小児血液・腫瘍疾患
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●好酸球増加症をみたら,アトピー性皮膚炎や食物アレルギー,薬物アレルギー(生薬,漢方薬を含む)などのアレルギー性疾患,寄生虫感染症,アレルギー性気管支肺アスペルギルス症などの真菌感染症,好酸球性肉芽腫性血管炎などを鑑別する.●リンパ球減少症の原因として,最も多いのはウイルス感染症であるが,そのほかに原発性免疫不全症候群,栄養失調,ステロイド治療中などを鑑別する.感染症の合併に注意する.2)追加検査●白血球分画,塗抹標本:芽球,異型リンパ球.●網赤血球数:赤血球造血.●クレアチニン,LDH,ビリルビン,尿酸.●検尿:潜血,蛋白,白血球,沈渣.4.血小板の異常をどうみるか1)血算で血小板減少をみるコツ ①血小板数減少+出血傾向なし:「偽」の血小板減少疑い.②血小板数減少+白血球数/Hb正常:免疫性血小板減少症(immune—mediatedthrombocytopenia:ITP)疑い.③血小板数減少+FDP*(D—ダイマー)増加:DIC疑い. *FDP:フィブリン/フィブリノゲン分解産物.線溶の指標. DIC:播種性血管内凝固(disseminatedintravascularcoagulation).血液凝固が,全身の血管内で無秩序に起こる.●血小板数の基準範囲:新生児84,000~478,000/μL,小児・成人150,000~400,000/μL.血小板数>50,000/μL:あまり心配しなくてよい,<20,000/μL:要注意.●血小板減少症の鑑別診断は,Ⅱ—5「出血症状を鑑別したい」およびⅣ—4「免疫性血小板減少症」を参照.●血小板数の減少をみたら,まずは出血症状があるかを確認する(→Memo 3参照).次に,Hb,網赤血球数,白血球数や好中球数に異常がないかを必ずみる.●血小板減少症があっても,本当に減っているか? 「偽」ではないのか? と疑ってみる.出血症状が全くない場合には,採血途中での自然凝固や攪拌不足による試験管内凝固,EDTA依存 白血球数が異常値を示すときは血液像もみよう.必ず形態を目でみること.さらに,赤血球や血小板数の異常も見落とさないこと.Essence 重症細菌感染症やウイルス性嘔吐下痢症では,しばしば好中球が相対的に増加し,リンパ球と好酸球が減少する.その理由は, ①G—CSF*:好中球産生増加.②アドレナリン:血管壁から好中球動員(30分),好中球数増加.③コルチゾール:骨髄から好中球動員(6時間),好中球数増加.④コルチゾール:リンパ球,好酸球のアポトーシス正常または減少. *G—CSF:顆粒球コロニー刺激因子,好中球産生を刺激するホルモン.Memo 21531 血算の見方Ⅴ役立つ知識
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