54表1に,両者の特徴を比較しました.等張運動では,①骨格筋や運動筋の筋力が増強されやすく,②費用,場所などが必要である,③外傷が発生しやすく,④循環器への影響としては,脈拍上昇が血圧上昇に先行することが特徴です.等尺運動では,①体幹筋や姿勢保持筋の筋力が増強され,②費用,場所などは少なく済み,③循環器への影響としては,血圧上昇が脈拍上昇に先行することが特徴です.もう1つの分類については,表2に示すように以下の特徴があります.① 有酸素運動(aerobic exercise):ウォーキングやエアロビクス,ゆっくりした水泳やサイクリングなど,時間をかけて呼吸を続けながら,軽度の筋力を用いて行われます.脂肪燃焼効果が高く,一定の範囲内であれば血圧は低下します.② 無酸素運動(anaerobic exercise):ダンベル・ベンチプレスやダッシュ走,腕立て伏せなど,息をこらえて瞬発的な力を出させる運動で,筋肉のグリコーゲンを消費して行われます.脈拍の上昇なしに,血圧が急に上昇することが特徴です.図1等張(性)運動と等尺(性)運動図2等張運動と等尺運動の実際のイメージ等張運動等尺運動静止動的収縮静的収縮短縮性収縮(ポジティブ)伸張性収縮(ネガティブ)等尺性収縮(アイソメトリック)動作動作表1等張運動と等尺運動の比較等張運動等尺運動筋力獲得骨格筋・運動筋体幹筋・姿勢保持筋 筋持久力獲得劣る良いトレーニング時間劣る良い費用やや劣る良い容易さやや劣る良い心負荷(徐々に)脈拍上昇(力むと)血圧上昇安全性やや劣る良い技術向上良い劣る
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