130tionnaire of Japanese version;RBDSQ‒J)3)がある.確定診断には,病歴とともにビデオ監視下での睡眠ポリグラフ検査が必須で,レム睡眠中の動作や行動をとらえるか,筋緊張低下を伴わないレム睡眠(REM sleep without atonia;RWA)を確認する.◆◆鑑別診断 夜間の異常行動を起こす病態・疾患,例えば,ノンレムパラソムニア(夜驚症,睡眠時遊行症),睡眠関連てんかん,睡眠時パニック発作,睡眠関連解離性障害,外傷後ストレス症候群,悪夢障害,閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea;OSA),夜間せん妄などがある.◆◆治療 異常行動時の事故防止のため寝室環境を整備する.増悪因子となる過度の飲酒や精神的ストレスを避ける,重症のOSAの併存例ではCPAP(continuous positive airway pressure)療法を行う.薬物療法では,CZP,メラトニン(海外)が有効である.抑肝散,ラメルテオン,プラミペキソール,ドネペジルの有効例も報告されている.◆◆予後 中高年発症の特発性RBDを長期追跡すると,一部の症例でαシヌクレイノパチーに進展することが報告されている.文 献 1) American Academy of Sleep Medicine. International clas-sification of sleep disorders, 3rd ed. Darien, IL:American Academy of Sleep Medicine, 2014:246‒253. 2) Kryger MH, et al (ed). Principles and Practice of Sleep Medicine, 6e. Philadelphia, PA:Elsevier, 2017:993‒1001. 3) Miyamoto T, et al. The REM sleep behavior disorder screen-ing questionnaire:validation study of a Japanese version. Sleep Med 2009;10:1151‒1154.(宮本雅之)S◆◆概念 てんかん原性焦点が一側大脳半球皮質,特に前頭葉の内側,眼窩面あるいは側頭葉深部や下面などに存在し,てんかん発射が両側半球に同期して出現する現象を指す.〔解説〕 二次性両側同期(secondary bilateral synchrony;SBS)の概念はてんかん発射が起始より同期する一次性両側同期(primary bilateral synchrony;PBS)と対比するものとして,Jasper,TükelとJasper1),PenfieldとJasperにより“一側皮質焦点より発生する両側同期性てんかん発射”として記載された. TükelとJasper1) は,一側大脳半球の前頭葉や側頭葉における正中部内側面皮質にてんかん原性病変がある場合,発作間欠期に二次性両側同期の棘徐波複合がみられると報告している. その後の研究により,今日ではSBSの発生には,皮質よりのてんかん発射が中心構造を刺激し,次いで両半球に投射する説,脳梁等を介しててんかん発射が一方の半球から他側へ伝搬する説,帯状束メカニズムによる説が想定されている. 脳波で両側同期性の棘徐波複合を認めていても,その棘徐波の振幅に左右差を認める場合,その棘徐波複合に先行した焦点性てんかん発射を認める場合,棘徐波複合と無関係に焦点性てんかん発射を認める場合,発作時脳波で発作の起始に左右差を認める場合では,その両側同期性の棘徐波複合はPBSよりSBSである可能性が高い.しかし,脳波では一見両側同期性の全般性棘徐波複合がPBSかSBSかを鑑別することは,脳波の視察的検討ではしばしば困難である. Gotman2) はcoherence and phase analysisを脳波上一見両側同期性棘徐波を示すてんかんに応用し,棘徐波の左右半球間の時間差は部分てんかんにおいては6~40 msecであり,これに対して全般てんかんでは5 msec以下であるか,あるいは先行側が不定であることを明Secondary bilateral synchrony二次性両側同期REM
元のページ ../index.html#5