2344患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション
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5日目コミュニケーション実践技法 〈質問〉さて,いよいよ,服薬ケアコミュニケーションの実践技法を学んでまいりましょう。コミュニケーションを学んだことがある方なら,聞いたことがあるお話から,もしかすると聞いたことがないようなお話まで出てくると思います。すべて,服薬ケア実践の中でブラッシュアップされてきた技法ばかりですので,たとえ「聞いたことがある」と思っても,「こんなこと知っている」と読み飛ばしてしまわずに,できるだけ素直な気持ちで学び直してみてください。最初に学ぶのは質問です。質問とは,ただ聞けばよいというわけではないのです。その目的や使い分けなどについて,しっかりと学んでください。●1質問の目的a. 情報を得るための質問質問の第一の目的は,情報を得るための質問です。これはもう説明の必要もないものだと思います。当然のことながら,この「情報を得るための質問」において最も大切なことは,「正しい答えをもらえるような質問のしかた」ということになります。自分が聞きたいことをただそのまま聞けばよいというわけではなく,「相手が答えたくなるような聞き方」をする必要があります。b. 相手の気持ちに何らかの変化を促すことを期待する質問質問のもう一つの目的に,「相手の気持ちに何らかの変化を促すことを期待する」という目的があります。形式的には質問なのですが,実際には何かを知りたいから聞いているわけではなくて,相手の気持ちに影響を与えるために質問の形を借りているのです。服薬ケアではどちらかというと,こちらのほうが重要かもしれません。これは,質問をすることにより相手にその問題についてよく考えてもらい,進むべき方向を自らの意志で決めてもらうための質問といえるでしょう。●2やってはいけない質問最初に,やってはいけない質問について触れておきます。これは,実際にはたくさんの薬剤師の皆さんがやってしまっていることです。まずこれをやらないように強く意識してくだ5日目-1質問1

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