2344患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション
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38 ▪さい。それだけで半分以上成功したといっても構わないくらいです。a. 薬歴を埋めるための質問をしない最も多く見受けられる「やってはいけない質問」は,「聞いた答えを薬歴に書くためだけにしているような質問」です。これはとても多いですね。これは,聞かれる側の気持ちになって考えてみれば,やめたほうがよいことはおわかりいただけると思います。相手から質問されてこちらは一生懸命答えたのに,相手は「そうですか」と薬歴に書き込むだけで,そのまま何もなかったかのように違う話に移っていく…。これは聞かれる患者さんにとっては,非常に不愉快なものです。このような質問は決してしないでください。b. いただいた答えに対して何もコメントがないそして,こちらからの質問に答えていただいたなら,その答えに対して必ず何かコメントをつけましょう。聞くだけ聞いておいて「そうですか。わかりました」だけでは,患者さんに対して失礼だと思います。それもできることならば,薬剤師らしいコメントがつけられるとよりよいですね。「こうこうこういう心配があるのでお聞きしたのですが,それなら大丈夫ですね。安心してお飲みください」というような感じで,何か薬剤師らしいコメントをつけるように努力しましょう。ただそうはいっても,質問によっては,薬剤師らしいコメントがなかなかつけられないこともあります。そういう場合はせめて「お話くださって,ありがとうございます」と,お礼の言葉を述べるようにしましょう。それだけでも患者さんの受ける感じはだいぶ違うと思います。話してよかったわぁお話くださってありがとうございますc. 根掘り葉掘り感を持たせない薬剤師としては,聞かなければならない大切な質問がたくさんあります。このとき患者さんに,「根掘り葉掘り聞かれている」という感じを持たせないように気をつけましょう。これを私は根掘り葉掘り感とよんでいます。患者さんに根掘り葉掘り感を持たれないように,うまく質問してください。では,根掘り葉掘り感を持たせないようにうまく質問をするにはどうしたらよいのでしょうか。詳しくは後述する「成功の秘訣」をしっかりと身につけていただくしかないのですが,要点だけ述べるとするならば,質問に答えることを嫌なことだと思わせないことに尽きると思います。常に患者さんのほうから答えたくなる雰囲気作りを心がけ,そしてこちらの質問に「答えたほうが自分のためになる」と思っていただくようにすることを意識してください。

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