2344患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション
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5日目 コミュニケーション実践技法 〈質問〉 ▪ 39d. 行き当たりばったり,思いつきの質問をしない「やってはいけない質問」は,まだあります。患者さんとお話しているときに,その中で出てきた話題や言葉から思いついたことや,直感的に連想されることを思いついたままに質問することは,やってはいけません。これは行き当たりばったりの質問あるいは思いつきの質問とよんでいて,服薬ケアでは最も避けなければならない質問とされています。もちろんそこから大切な情報が引き出せることもあるので,「思いつき」がいけないといっているわけではありません。そうではなくて,何かに気付いたとしても,思いついたままに,深く考えることなくサッと口に出してしまうことはやめましょうということなのです。実は,これは質問のしかたの問題ではなくて,プロブレムを見つけていくための,problem orientedな思考力が身についているかどうかという問題なのです。アセスメント力があるかどうかの問題といってもよいでしょう。ですから,「そういう質問はしない」と覚えて質問することを我慢するのではなくて,逆に何か思いついたら,「瞬時に考えることができるようになる」ことを意識してください。詳しくは後述いたしますが,ポイントとしては,何か思いついたのなら,口に出す前に「なぜその質問をするのか?」「その事実を知ると何がわかるのか?」をよく考えてみることです。ただし,よく考えるといってものんびり考えている暇はありません。瞬間的にパッと考えなくてはなりません。実際にできるようになるには,ある程度の思考訓練が必要です。このあたりは,9日目POS的思考回路をつくろう!〈頭の中をPOSにする〉(p.75~)で詳しく学びますので,楽しみにしていてください。e. 相手の答えにくい聞き方はしない次の「やってはいけない質問」は,相手が答えにくい聞き方をしている質問です。これは,聞かれる側の気持ちを少しだけ配慮することができれば,避けることができると思います。これも感情への着目ですね。一番わかりやすいのは,なんだか責められているような,叱られているような形になってしまう状態です。たとえば,「お薬飲んでいないんですか?」と聞いてしまったのでは,患者さんは「いや,ちゃんと飲んでるよ」と答えるかもしれません。しかし「お薬が余ってしまって困っていませんか?」と聞くと,「そうなんだよ。実は困っているんだよ」となるかもしれません。常に患者さんの側に立ち,「困っていませんか?」「お手伝いできることはありませんか?」というスタンスで聞くようにしましょう。質問の目的は大きく2つあります①情報を得るための質問②相手の気持に何らかの変化を促すことを期待する質問

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