2361腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第8版
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51 脱水症(Na欠乏症)1水・電解質代謝異常とその治療重の3%以上⊘週の低下). ■絶食でも高度異化亢進(高度炎症)状態でなければ,筋肉や脂肪での体重減少は1日0.2~0.3 kgに留まる(それ以上のスピードでの体重減少は体液喪失=脱水症が疑われる). ■症状は非特異的なものばかりであるが,便秘が脱水の症状であることもある. ■身体診察所見で脱水を評価することは非常に難しく,数々の所見を複数重ねて判断する. ■細胞外液量欠乏による脱水症では以下の尿所見が役に立つ.e.脱水症の治療 ■脱水症の治療は輸液療法である. ■輸液療法には次の2種類がある.1現時点で不足している水電解質を補充する (是正輸液:correction fluid)2今後不足が予測される水電解質を補充する (維持輸液:maintenance fluid) ■輸液は是正輸液と維持輸液を合わせて処方する.1) 是正輸液(図1) ■是正輸液は以下の2種類がある.1Na量異常(細胞外液量低下)に対する輸液=生理食塩水に代表される等張液の投与.2Na濃度異常(細胞内液量異常)に対する輸液=細胞内液量欠乏の場合,5%ブドウ糖に代表される低張液の ■Fractional Excretion of sodium(FENa)≪0.1~1% ■FEUN(利尿薬使用時など,FENaが当てにならない場合)≪35%  (ただし,FEの基準値はGFRの低下に反比例して高くなるため,FENaやFEUNが高くてもGFR低下時には,体液量欠乏は否定できない.) ■尿Cl濃度<20 mEq⊘L(嘔吐・代謝性アルカローシス合併時) ■尿Na濃度<20 mEq⊘L(代謝性アシドーシス合併時)

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