281)平均の検定の前提条件平均の検定とは2つ以上の集団の平均値に差があるかどうかを調べる検定である.つまり,この検定の帰無仮説は「比較する平均値に差がない」ということであり,統計学的にこの仮説を検定する.P値が有意水準以下(通常,医学関連では5%以下)であれば,帰無仮説は棄却(否定)され,「比較する平均値に差がある」といえる.図1に平均の検定の種類を選択する際のおおまかな流れを示す.データが連続変数(カテゴリー・データでない)であり,正規分布を大きく逸脱していないかという点(正規性)が最初のポイントとなる.平均の検定とは正規分布の代表値である平均値の検定であり,データの分布が正規分布する場合に2群間の差を検出する能力が高い.平均値の検定の場合,標本サイズが十分大きければ,少し正規分布からはずれていても大きく結果が変わらないことも多いが,明らかに正規分布を逸脱した(非常に偏った)分布やカテゴリー・データの場合には,平均そのものが意味をもたないので,データの分布に左右されないノンパラメトリック法(第16~18章参照)やカイ2乗検定を用いて割合の差を検定するなどの方法が適切である.1平均の検定の基本第4章平均の検定■地域による血圧の差は偶然なのかがわかる■数量データ解析で用いられる図1 平均の検定の種類の選択正規分布を仮定できるかはいいいえノンパラメトリック法割合の差の検定など対応のあるデータかありなし比較する平均値はいくつ?比較する平均値はいくつ?2個3個以上2個3個以上分散分析など分散分析など対応のある 検定t対応のない 検定t
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