2375高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン  第3版
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1) 最終化 日本痛風・核酸代謝学会会員より広く意見を求め修正を行った.その後に下記に示す識者による外部評価とガイドライン作成方法に関してはMindsの外部評価を受けた.あわせて,MindsのGUIDEシステムならびに日本痛風・核酸代謝学会のホームページを利用してパブリックコメントを募集し最終版に反映させた.2) 外部評価の具体的方法と対応 ガイドライン作成方法の質の改善のためにAGREE IIに基づいたMindsの外部評価を受け,その意見を反映させた.外部評価委員にはAGREE IIに基づいたガイドライン作成法の評価と,高尿酸血症・痛風の合併症である腎障害と循環器疾患に関しての評価を受けるために専門家として腎臓内科医と循環器内科医のコメントを収取し,ガイドライン改訂委員が各コメントに対しガイドラインを変更する必要性を討議して,対応を決定した.また,パブリックコメントに対しても同様に対応した.これらの外部評価に関しての変更を記録に残し,公開した.なお,高尿酸血症・痛風に関しては作成主体である日本痛風・核酸代謝学会で包括できるために外部評価委員は設けていない. 外部評価への対応は学会ホームページにて公開している. URL : https://www.tukaku.jp 外部評価の結果は以下のとおりである. ガイドラインの一般公開前に,内容に関してAGREE II方式(AGREE Next steps Consortium 2009 : http://www.agreetrust.org/)を用いた評価を外部評価委員である腎臓内科医と循環器内科医ならびにMindsに依頼した.なお,外部評価委員においても作成委員と同基準の利益相反の有無が確認された([web版資料10 ガイドライン外部評価委員_COI情報2018]).寄せられたコメントの概要は以下のとおりである.【腎臓内科医の評価の要約】 CQ2に関して本ガイドライン(第3版)は患者の状態や健康上の問題に応じ た異なる選択肢が 明確に示されていると評価された.一方で,尿酸値低下に伴うEIAKI(運動後急性腎不全)に関しての治療選択肢やEIAKI病態が小児に多いことから小児腎臓疾患の専門家との連携の必要性,腎障害を有する高尿酸血症に関して腎機能低下例に尿酸降下薬特にアロプリノールのみならずフェブキソスタットを使用する際の注意事項に関しての配慮のコメントを頂いた.また高尿酸血症・痛風の診療マニュアルの腎障害の項に関して今後のフェブキソスタットやトピロキソスタットによる介入試験について注目すべきという指摘を頂いた.【腎臓内科医の評価への対応】 上記の評価に関してCQ2の項でEIAKIに関しては腎性低尿酸血症の診療ガイドラインで示されているとおり小児腎臓疾患の専門家との連携が必要であり,その点をガイドライン作成者が推奨決定の過程に記載をした.また有害事象に関して尿酸降下薬を使用する際の慎重な配慮に関してガイドライン作成者が記載した.またフェブキソスタットやトピロキソスタットによる介入試験に注目する旨をガイドライン作成者が記載した.【循環器内科医の評価の要約】 よくまとまったガイドラインである.アルゴリズムの図表を拡大しより見やすくしたほうがよい.最近報告されたCARES研究に関しての論文を引用し解説する必要がある.【循環器内科医の評価への対応】 上記の評価に対してアルゴリズムの図表の表示を工夫した.CARES研究に関しては現時点での解説を加え今後の動向を注視する旨を「第1章 1 背景・目的・スコープおよび使用上の注意」の「4 使用上の注意」に記載した.【Minds事前評価の要約】 AGREE IIの領域のなかで,対象と目的,利害関係者の参加,作成の厳密さ,提示の明確さ,適用可能性,編集の独立性のすべての領域の記載について評価が高く,非常に完成度の高いガイドラインである.さらなる改善点に向けた課題としては,推奨記載に関しての「条件つき」という表現がわかりにくいため,説明を記最終化,公開に関する事項15治療ガイドラインの公開と普及のために作成組織・作成方針第 章141第1章作成組織・作成方針

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