2375高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン  第3版
5/6

載することが望まれる.アンケートに回答した人数の記載や,モニタリングに関して検診データを使用する場合の測定頻度を記載するとよい.クリニカルクエスチョンと診療マニュアルでの内容やアルゴリズム図表の重複があり,工夫が必要である.また,外部評価の結果の反映方法について追記する必要がある.【Minds事前評価への対応】 上記の評価に対して,推奨記載に関しての「条件つき」という表現の説明とアンケートに回答した人数を「第1章 4 システマティックレビュー,エビデンスの質の評価と推奨作成」の「4 推奨の作成手順」に記載した.検診データを使用する場合の測定の頻度を「第1章 5 治療ガイドラインの公開と普及のために」の「2 診療ガイドラインを広げるために」においてモニタリングの箇所に記載した.アルゴリズム図表をよりわかりやすく工夫した.その他の外部評価の結果に対する対応を本ガイドライン(第3版)に記載した.3) 公開の予定 外部評価への対応の終了後,ガイドライン統括委員会が学会ホームページと冊子による公開を行う.1)  本ガイドライン(第3版)の導入・活用における促進要因ならびに阻害要因 各要因に関してガイドライン作成委員にアンケートを取って情報を収集した.その主なものは以下のとおりである.多くの一般健診では血清尿酸値が測定されており,促進要因となっている.新規の尿酸降下薬が上市され,疾患の認知度が高まり促進要因となっている.他の学会のガイドラインで高尿酸血症・痛風の治療意義が示され促進要因になっている.痛風の自然歴がプライマリー医などに十分理解されず,長期の治療意義の理解の欠落が阻害要因となっている.インターネットなどで高尿酸血症・痛風の根拠の乏しい情報が阻害要因になっている.未成年に関しては血清尿酸値が測定される機会が少ないために痛風関節炎を伴わない高尿酸血症を診断する機会が失われる可能性があり阻害要因となっている.薬物の価格は,高くはなく(廉価であり)推奨の適用に関して阻害要因にはなりにくいと考える.これらの要因はガイドライン作成過程や推奨作成には影響しなかった.2) 診療ガイドラインを広めるための方法 具体的方法として以下の項目を予定している. ・書籍として発行する ・ダイジェスト版等を発行する ・英語版を発行する ・学会ウェブサイトで一般公開を行う ・ 学会で本ガイドライン(第3版)に関するシンポジウムを行う ・一般市民向けの講演を実施する ・一般向けの解説を作成する など3) モニタリングと監査のしくみ ガイドラインがどの程度活用されているのかを測定するためのモニタリング指標や,監査の基準として以下の実施を検討している.ガイドラインが掲載されている学会ホームページへのアクセス回数を毎月集計して推移を把握する.ガイドライン導入前後で患者アウトカム測定(血清尿酸値や痛風発作の再発等)に変化があるか研究し実施する(健診データを使用する場合は年1回の測定値を利用する予定である).学会員を対象に推奨の実施状況に関するアンケート調査を毎年学会開催時に実施する.以上に関してガイドライン公開後3年を目安に行うが,必要に応じてモニタリングの回数は増やす場合もある.4) ガイドラインの改訂について 高尿酸血症・痛風に関しての介入試験は比較的数が少ないために5~7年ごとに改訂することを予定している.ガイドライン改訂のタイミングは,エビデンスの変化以外に重要なアウトカムの変化・可能な介入の変化・ヘルスケアに対する利用可能な資源の変化等があった場合に行う.ガイドライン統括委員会が普及・導入・評価の結果を踏まえて改訂の手続きを行う.診療ガイドラインを広げるために242第1章 作成組織・作成方針

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る