2377日本臨床神経生理学会専門医・専門技術師 試験問題解説120
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iii 本書の最大の特徴は問題を解きながらいろんなことが学べることです.いろんなことが学べるといっても,本書は試験問題解説書ですから,毎年6月上旬に行われている日本臨床神経生理学会専門医・専門技術師試験の受験者が読みやすいように工夫されています. 現在,移行期間を含めると,516名の脳波分野専門医,444名の筋電図・神経伝導分野専門医,283名の脳波分野専門技術師,221名の筋電図・神経伝導分野専門技術師が本学会に在籍されています.10年前から始まった専門医・専門技術師試験(当初は認定医・認定技師試験)の合格率は分野ごとに若干の差があるものの,専門医・専門技術師ともに低い年度でも概ね75%以上を保っています.これは本試験では奇をてらった難問が出題されることはなく,本学会試験委員会によって難易度が一定に調整されていることを示しています.本書では,頻出分野の120問を厳選しました.問題ごとに出題時の正答率にもとづいた難易度が明示されていますので,問題を解いたときのご自身の感覚と比較してみてください.さらに,受験者の皆さんには,巻末に付録として掲載されている「試験問題内容のコード番号分類表」の活用をお勧めします.この分類表の右側の列に本書で取り上げられた過去問の出題数が記載されています.これを見ると,出題されやすいコード番号に偏りがあることがわかります.実は,この傾向は過去10年で大きく変わっていません.つまり,出題数の多いコード番号の分野はほぼ毎年出題されているということになります.どのくらいの難易度の問題がどの分野から出題されやすいのか,本書を解きながら学んでください.本学会が専門医・専門技術師として必要と考えている知識の水準が自ずとわかってきます. 執筆者一覧からわかるように,各解説はそれぞれの専門分野ごとに日本のエキスパートが執筆しています.したがって,本書は試験問題解説書でありながら,同時に,解きながら臨床神経生理学のポイントが身につく格好の参考書といえます.ぜひ初学者の皆様にも手にとっていただければと思います. 本書の刊行にあたり,2000問以上の過去問をコード番号分類にしたがって整理し,基礎資料を作成していただいた畑中裕己先生,津田笑子先生と,編集全般に関わっていただいた内藤寛先生,木崎直人先生,吉村匡史先生,軍司敦子先生,藤原俊之先生,植松明和先生に深く感謝の意を表します.皆様の貢献がなければ本書は完成しませんでした.ありがとうございました.2018年10月吉日 日本臨床神経生理学会 試験委員会・委員長 今井富裕はじめに

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