2377日本臨床神経生理学会専門医・専門技術師 試験問題解説120
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45B‒4脳波計について(図1‒b)1).これらのことから選択肢①と⑤は誤り. ● フローティング アナログ脳波計では,各チャネルの増幅器ごとにフローティング(漏れ電流が流れないように被験者と電気回路を絶縁した状態)した回路を設ける必要がある.一方,デジタル脳波計ではA/D変換された後の信号を絶縁するだけでフローティングが得られる.したがって選択肢②は誤り. ● ニュートラル電極 生体信号を増幅するための基準点となる電極をニュートラル電極と称し,古いアナログ脳波では大地に接続されてアース電極(ボディアース)といわれていたが,患者が電気的にフローティングされていないため患者に大量の電流が流れる危険性があった.患者が電気的にフローティングされているデジタル脳波計では,ニュートラル電極は大地と接続されておらず,通常前額部に装着される2).アナログ脳波におけるアース電極とデジタル脳波におけるシステム電極は別物であり選択肢③は誤り. ● サンプリング周波数 アナログ信号をデジタル信号に変換するときの間隔をサンプリング周波数と称する.波形を形成するには少なくとも2点の差が必要なので,計測の目標とする周波数成分の2倍のサンプリング周波数が必要であるが,サンプリング周波数の1/2の周波数(ナイキスト周波数)以上の成分は本来の周波数とは異なる折り返し雑音(エイリアシング雑音)を生じてしまうので,あらかじめナイキスト周波数以上の活動はアナログ信号の段階で高周波フィルターを使用して減衰させておく(アンチエイリアシングフィルター).この減衰率も考えて,実際には目標とする周波数成分の3倍の周波数,たとえば300 Hzまでの高域帯を計測したい時にはサンプリング周波数900 Hz以上が必要になる1).選択肢④は正解である.【文献】 1) 重藤寛史:デジタル脳波計のしくみ.飛松省三(編).ここが知りたい!臨床神経生理.中外医学社,東京,11‒12,2016. 2) 橋本修治:差動増幅器とアース.臨床電気神経生理学の基本.診断と治療社,東京,180‒194,2013.解答 4問題032 デジタル脳波計の特徴

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