2378脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2018
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3I ミニレクチャー:破裂脳動脈瘤治療,成功のヒント(塞栓術)高血圧性脳出血の場合は体幹部CTをスキップしているが,非典型的な脳出血の場合で,血液検査にて担癌状態や肝硬変などが疑われる際に全身検索として体幹部CTを施行している.なお,CT検査の場合には必ず検査に同行し,体幹部CTで体幹部CTAが必要と判断した際には適宜追加している.大腿動脈からのアクセスが困難な症例3 大腿動脈からのアクセスが困難な病態を図2に示す.大動脈弓のバリエーションにおいて,左側病変におけるBovine Archがあげられる.次に大動脈病変において,胸・腹部大動脈瘤を有する場合にはカテーテル誘導の可否について慎重な検討が必要である.また総腸骨動脈などの狭窄病変については,狭窄のない側からの穿刺が必要である.しかしながらF-Fバイパス後や穿刺部の大腿動脈の高度石灰化は動脈穿刺が困難であり,大動脈プラークなどのShaggy aortaの症例ではカテーテル誘導は末梢塞栓のリスクが高く,上腕動脈アプローチが推奨される.これらは体幹部CTAでなく,頭部CTA後の体幹部CTでも十分に判断が可能である.体幹部CTの読影ポイント4 頭部CTA後の体幹部CTでは造影剤量が不十分で簡易的なVRでは評価は困難である.そのため元画像での読影となる.読影のポイントとして,①大腿動脈から動脈瘤まで血管異常(拡張,狭窄,閉塞,蛇行など)の有無,②大動脈弓のバリエーションがあげられる.注意深く1枚ずつ画像を閲覧し,大腿部から動脈瘤まで連続して血管を追えるかどうかがポイントとなる.頚部で静脈と見分けがつかない場合には大動脈弓から読影するとよい. 特に大切なのは左側内頚動脈系の脳動脈瘤に対するBovine archの存在である.Bovine archは正確には2通りあり,無名動脈と左総頚動脈が共通幹から分岐する場合は13%,左総頚動脈が無名動脈から起始する場合は9%で認める1).若年者の患者では多少の工夫でガイディングカテーテルの誘導は可能であるが,高齢者の患者の場合は困難で,むしろ上腕動脈からのアプローチが容易である.胸部CTで左総頚動脈が腕頭動脈から分岐しているのが確認できる(図3).また左総頚動脈が正中より右側で分岐している場合にはこれを疑ったほうがよい.時間的余裕があればワークステーションでcoronal画像を再構成するとよい.代表症例5■症例1:89歳女性(図3,4) 数日前に突然の頭痛があり,近医を受診後,当科紹介となった.来院時意識清明,明らかな神経脱落症状は認めなかった.頭部CTにてくも膜下出血を認め,頭部CTAにて左内頚動脈後交通動脈分岐部に最大7mm大のブレブを伴う脳動脈瘤を認めた.体幹部CTにてBovine archと診断したため,全身麻酔下にて右上腕動脈穿刺による脳動脈瘤コイル塞栓術を企図した.右上腕動脈穿刺を行い,5Fr Fubuki dilator kitを血管内に挿入し,4Fr Cerulean+Terumo 0.035 guidewire stiffのco-axial methodにて左内頚動脈に誘導・留置した.Balloon assist techniqueにて計7本のコイルを使用して脳動脈瘤を塞栓した.穿刺部は“とめ太くん®”を用いて止血した.術後経過は良好で,独歩退院となった.■症例2:73歳男性(図5) 10年前にくも膜下出血,近医で前交通動

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